★半世紀を超えて甦る「超幻」の名盤登場! 名手HENRI RENAUDが、あのDUCRETET THOMSONに残したもうひとつの名演。霧か霞かファントムか?こんなレコードがまだあった!!
●へー、こんなレコードあったんや〜。いきなり無知を晒して恐縮至極だが、CDを見ての第一声がこれであった。見れば原盤はDUCRETET THOMSON。それも12インチと来た。大体、デュクレテと呼べばズートと答える。これがジャズ者の常識である。ゆえにデュクレテとは即ち10インチ。12インチのモダン・ジャズがあろうとは夢にも思っていなかった。長年ジャズのレコードに対してレーダー照射をしてきた自分としては、それをかいくぐるステルスのごとき作品の存在に驚愕したのである。幻の名盤どころの騒ぎではない、これは霧か霞かファントムかというレベルのブツに間違いあるまい。主人公は、例のズート盤でコ・リーダー格のピアニストHENRI RENAUD。アナログで言うならA面がオクテット、B面がトリオという構成になっている。そして両フォーマットでRENAUDが才能を披露しているというわけだ。名手KENNY CLARKEの作りだす柔らかなスウィング感の上で元気に跳ねるB面も良いのだが、アレンジャーとしての手腕を発揮したA面はより貴重だと思う。オクテットの編成に注目。トロンボーンが二本にtp、ts、bs。トランペットはテーマを奏することはあるが、派手なソロはない。従って、低音を中心にしたアンサンブルなのだが、これが実にマイルドで良い響きなのだ。例えるならば、大ぶりな器で楽しむカフェ・オ・レ、か。まさにパリの味わい。埋もれていることが不可解な好作品、こういうのがあるから、ジャズ・レコードはやめられない。またもサワノにシテヤラレタ!(Text by 北見 柊)
1. Meet Quincy Jones
2. The Greatest Lie
3. Mac Zooto
4. The Tabou Trot
5. Dillon
6. Klook’s Clock
7. You Are Too Beautiful
8. Wallington Special
9. What Is There to Say
10. Beautiful Love
Henri Renaud (piano)
Jean Warland (bass)
Kenny Clarke (drums)
Bill Byers (trombone)
Charles Verstraete(trombone)
Fernand Verstraete (trumpet)
Allan Eager (tenor saxophone)
Jean‐Louis Chautemps (baritone saxophone)
1957年 録音
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