●熟味を増した絶好調ぶりの続く正統派モダン・テナーの横綱スターE・アレクサンダー(1968〜)の、御大H・メイバーンとの鉄壁コラボ・カルテットによる快作。ふくよかでいて自然な張り・締まりをも呈した、何とも美味しいタフ&マイルドなテナー・トーンによる、力八分目でゆったり伸び伸びとスムースに、かつ表情豊かに哀愁を歌い上げる、落ち着いた自然体調子のリリカル・プレイが誠に爽やかに、熟成された豊作ぶりを悠々示したさすがの充実内容。メイバーンの、何げにアーシーでソウルフル&スピリチュアルなコク味を端々に散見させる、優しくもキリッと背筋の伸びたエレガント・グルーヴィーなサポート・プレイ、も超芳醇に際立ちながら、バラード中心の寛いだ抒情派奏演が、折り目正しくも泰然と紡がれてゆき、アレクサンダーの、一音一音にしっかりと情感をこめて清新かつおおらかに旨口の音景色を描き出してゆく、ハートウォームで懐の広い、そしてジェントルマンな凛々しさもさりげなく匂わせた語り口の妙が、実に頼もしく心地よい「ク〜最高!」な魅力を放ってゆく。脱力的な遊泳感〜波乗り感を自然に漂わせた柔らかで流線的な半掠れ気味の寛ぎフレージング、を変わらぬ根幹として、思わずホッとするような温厚柔和な哀歓世界をじっくりと映し出し、並行して、よりパンチを利かせたハード・ドライヴィングで勇ましげなアタック節も細かに、的確に混ぜ込んでゆく、という、その豊かな包容力に溢れた「歌物派の鑑」と言いきれる醸熟の名調子は、全く見事で云うことなし。
1. Touching
2. Gone Too Soon
3. The Way She Makes Me Feel
4. Dinner For One Please, James
5. Central Park West
6. I'm Glad There Is You
7. The September Of My Years
8. Oh Girl
Eric Alexander(ts)
Harold Mabern(p)
John Webber(b)
Joe Farnsworth(ds)
2012年10月22日ニュージャージー州Englewood CliffsのVan Gelder Recording Studio録音
レーベル:
HighNote
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CD