D&D TrioやSonyよりの諸作品が好評だった、NYシーンで活躍する早熟の個性派ピアニスト:エルダー・ジャンギロフ(1987年キルギス共和国生まれ)の、トリオを基本にゲスト陣も交えつつの一編。ガツンと強固でキレ&ハジきのいい、重心のしっかりした中々精巧な岩石タッチによる、起伏烈しい力学指向のダイナミック・アクションや、一転、優しく瀟洒な歌心を全開させたソフィスティケートな寛ぎ節など、振り幅大きく溌剌と情景を活写してゆく表情多彩なドラマティック・プレイが、実に精悍軒昂で旨口な絵をスカッと飾った快打内容。リズム・スタイルは刻々と多様に変化する、シリアスでスリリングな「現代新主流派」的な白熱した邁進、=歯切れよくも重みがあってメリハリ満点なフレキシブル熱演、がハイ・テンションに紡がれてゆき、ジャンギロフの、腰を据えて堂々と、ハキハキと輪郭太く一音一音を強打する、覇気と確信そして風格に満ちた語り口の妙が、雄々しくも芳醇な魅力を濃厚に放ってゆく。タッチのパーカッシヴさを際立たせつつジグザグ凸凹な半幾何学的軌跡をガキゴキと力強く、鋭敏に描き出してゆく、硬質で骨太なアクロバティカルめの殺陣風アクション攻勢!、に揺るぎない真価を発揮する一方、歌物やバラードでの抑制力と含蓄に富んだ優しく渋旨なメロディック・フレージングや、その両方の折衷、的な、粋でイナセな燻し銀風の吟醸スインギー節、にもサジ加減絶妙の得難い味わいがあったりと、全体を通じて、適度に甘さの抑えられたそのタフでハードボイルドな鳴音のあり様は、さすが確固たる「個性派」ぶりで説得力絶大だ。
01.
Point Of View Redux
02.
Somebody Loves Me
03.
Breakthrough (feat. Chris Potter)
04.
What'll I Do
05.
Morning Bell
06.
In Pursuit
07.
No Moon At All
08.
Hope
09.
Tokyo Pulse
10.
Blink (feat. Joe Locke)
11.
Good Morning Heartache (Bonus Track)
Eldar Djangirov エルダー(p)
Armando Gola アルマンド・ゴラ(b,elb)
Ludwig Afonso ルドウィッグ・アフォンソ(ds)
Chris Potter クリス・ポッター(ts on 3)
Joe Locke ジョー・ロック(vib on 10)
2013年作品
レーベル:
Inpartmaint
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CD