●円熟の快進撃が続くスイング・テナーの人気名手:スコット・ハミルトン(1954〜)の、ここ近年定番化しつつある北欧勢とのコラボ、=今回はヤン・ルンドゥグレンらとのカルテットによる、スウェーデンに因んだ楽曲群を奏した一編。
★まろやかな旨味とスモーキーな翳りを湛え、また、安定した強堅さと脱力的な浮遊感を絶妙に融け合わせた、ニュアンスに富む温厚柔和げなテナー・トーンによる、肩肘張らず自然体で伸び伸びと波乗り遊泳を楽しむかのような、落ち着いたさすが熟練の寛ぎプレイが何とも渋い、芳醇なる映え具合を悠々と示した充実内容。バラード〜寛ぎ路線的なコンセプトは一貫しつつも緩急のメリハリは適宜豊富につけられる、歌物派の王道然とした和気あいあいムードの趣味よきメロディアス奏演が楽しげに紡がれてゆき、ハミルトンやルンドゥグレンの、気負いなく伸びやかでいて、何げに無駄(&ムラ)のない、自ずと巧く構成された濃淡豊かなソロ妙演が、おいしさ抜群の豊穣な見せ場を飾ってゆく。ハミルトンの、ある時はホーキンスに柔らかな丸みをつけたようであり、またある時はゲッツやB・ウェブスターに似たレイジー&ハスキーな掠れ感を際立たせたりもする、肉太で逞しくもマイルド・テンダーなけだるさ〜リラクゼーションを絶えず伴った流線的スムース・ブロウ、が誠に味わい深い、じっくりと熟成された超コク旨な、それでいて爽やかな清新味にも溢れたバツグンの冴えを見せており、一方ルンドゥグレンの、抑えを利かせて硬派なダイナミズムと優しく温かなソフトネスを絶妙に交錯体現してゆく、ツボを心得た名パートナーぶり・参謀ぶりも、中々行間豊かにアジな魅力を放っている。
1.
Dear Old Stockholm ディア・オールド・ストックホルム
2.
Swing In F スウィング・イン・F
3.
You Can't Be In Love With A Dream ユー・キャント・ビー・イン・ラヴ・ウィズ・ア・ドリーム
4.
Trubbel トラブル
5.
Stockholm Sweetnin' ストックホルム・スウィートニン
6.
Min Soldat マイ・ソルジャー
7.
Blues In Oktaves オクターヴ・ブルース
Scott Hamilton(tenor saxophone)
Jan Lundgren(piano)
Jesper Lundgaard(bass except 3)
Kristian Leth(drums except 3)
2012年12月デンマーク-コペンハーゲンのSTC Studios録音
レーベル:
Stunt
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三面デジパック仕様CD