CATFISH RECORDS

Naive諸作でお馴染みなフランスの人気ピアニストB・トロティニョン(1974〜)の、今回は、4人のヴォーカリストやパーカッション、ギター、ストリングスを次々フィーチュアしつつの多彩な編成による、「歌」にこだわったコンセプチュアルな一編。クリーンな透明感と硬質なキレ+暗影味を兼備したピアノの、常に重心のしっかり据わった柔剛自在のメロディック・プレイが、キリッと凛々しく濃厚に、全体の指針〜骨芯っぽく頼もしいキメ絵を飾りながら、代わる代わる現れるヴォーカル陣のそれぞれに個性的かつ劇的な気迫のこもった演唱も、実にカラフルに華を添えてゆく、明快で親しみやすくも中身のギッシリ詰まった敢闘内容。全体を通じて、ある種のストーリー性やドラマツルギーに立脚したアレンジ構成意匠が、曲毎に巧く趣を違える形で中々綿密に張り巡らされる、といった感じな、スタイルも情趣もバラエティーに富んだトータル・コンセプチュアルな道程がシャキシャキと、歯切れよく形作られてゆき、トロティニョンの、各ゲスト達を的確に盛り立てつつ、しかし結構マイペースに伸び伸びと得意技を揮いきる、風格も堂々の総監督&主役ぶりがゴキゲンに冴え渡っている。→詩的な哀感をロマネスクかつダイナミックに歌い上げる、硬質感(と重み)あるマイルド・メランコリックな耽美フレージングであったり、バップ、ファンキー、モードの基本イディオムにキッチリ則った硬派で粋な、渋い吟醸節であったり、瞑想感も仄めくややニューエイジ寄りの爽涼な夢幻的バラードであったりと、一貫してその強固なタッチの旨味も際立たせつつの気力全開な闊歩邁進の様、が壮快・芳醇この上なしで、一方、クール&スタイリッシュなAdded、スモーキーに翳ったメロウ・ブルージーなGardot、おおらかな南国牧歌調のPassos、など、色とりどりな歌唱陣の活躍も極めて充実。

1. La Repetition
2. Awake
3. Mon Fantome
4. Ne Me Quitte Pas / La Javanaise
5. Palavas-Les-Flots
6. Gone
7. Choro Di Cigarra
8. Ma Plus Belle Histoire D'Amour
9. End Of The Gig
10. Une Petite Fille
11. Du Bist Die Ruh

Baptiste Trotignon(p)
Jeanne Added(vo on 2,9,11)
Melody Gardot(vo on 3)
Christophe Miossec(vo on 5)
Monica Passos(vo on 6,7)
Minino Garay(per,body-rhythm,cajon on 1,7,10)
Jean-Baptiste Laya(g on 3)
Thomas Bramerie(b on 2,3,6,9)
Dre Pallemaerts(ds on 2,6,9)
Florence Roussin(vln on 2,6)
Lionel Turchi(vln on 2,6)
Jean-Charles Ronciero(vla on 2,6)
Miwa Rosso(cello on 2,6)

2012年4〜5月録音(フランス作品)

レーベル：Naive

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