★福岡市を本拠に、音楽講師を務めながら九州・山口のライヴ・シーンで活動、NYでJ・アバークロンビーやG・バートンシーニにも師事し、過去のアルバム2作品が好評を得ていたギタリスト:山野修作(福岡市出身)の、今回はD・グリセット参加のNYカルテットによる、前作から4年ぶりの3作目。
★潤いと濁りが混在した、張りのある中太のスモーキーなギター・トーンによる、バップ・スタイルを基調とした、殺陣風のダイナミックな硬質アクション技をシャープ&スリリングにビシビシ紡ぎながら、ブルージー・テイスティーな渋い旨口情趣もしっかり体現してゆく、という、正攻法の硬派な吟醸プレイが確固と、凛々しげに絵を飾った好投内容。
★極めてオーソドックスなハード・バップの王道、然たる歯切れよいブルージー・スインギー奏演が、苦味走ったハードボイルドげな面持ちで骨太に綴られてゆき、山野の、ブレなく迷いのない職人的なストイックさorシンプル・ストレートさを多々感じさせる反面、その内側からは練熟者ならではの自在な幅〜懐広さも何げに匂わせる、全般にちょっと燻し銀っぽい味わい&風格を呈した妙演が、揺るぎない、毅然としたスタンスで冴え渡っている。
★クリスチャン〜ファーロウ系の伝統的バップ・イディオムをベースに敷いての、ハード・ドライヴ感溢れる鋭敏な、ゴリッとした立ち回りフレージングを最得意の根幹としつつ、ベンソン〜グリーン筋のイナセでアツい滑らかめのアーシー節、もいま一つの柱としてガッチリ頻用、更には、意図的に音色を細く尖らせての、ややコンテンポラリー寄りのクールな幾何学的ダイナミズム表現や、ジム・ホールに接近したメロウな耽美的ロマンティック・フレーズ、などのアクセント転回も按配よく盛り込んでゆくその、一徹げにして度量の深い語り口は、何とも芳醇で頼もしさ満点。グリセットの、幾分か控えめながら実に的確でカラフルな、ドラマツルギーを心得た繊細助演(参謀ぶり?)も光っている。
1.Deep Defect (S.Yamano) 7:59
2.Ruined Castle (S.Yamano) 8:43
3.Respective Destiny (S.Yamano) 8:46
4.Noiseless Pain (S.Yamano) 5:45
5.Nothing Is Thought About (S.Yamano) 7:36
6.Like Someone In Love (J.Vanheusen) 6:52
7.Bolivia (C.Walton) 6:01
8.Balducci (S.Yamano) 7:11
山野 修作 Shusaku Yamano(guitar)
Danny Grissett(piano)
Matt Clohesy(bass)
Mark Ferber(drums)
2012年3月15日 NYCの"Dubway"録音
レーベル:
Shoozz(本人の自主制作)
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国内自主制作CD