★テナー奏者Magnus Lindgrenのサイドやスライディング・ハマーズ他、数多くの主流派第一線セッションや歌伴等で多忙に腕を揮ってきたスウェーデンの人気ピアニスト:マティアス・アルゴットソン(1971年生まれ)のトリオ作品。曲は有名作品中心に本人の自作も3つ。
★ファンキーなブルース・フィーリングにも富んだ、主役pのひたすらメロディアス&スインギーなスッキリとした歌いっぷりが清々しい、直球型の抒情的ハード・バピッシュ奏演が好テンポで連続する爽快内容である。
●和気あいあいとしたハートウォームな寛ぎ気分が一貫する中、急速調の疾走的スイング熱演からしっとりとしたスロー・バラードまで緩急の起伏メリハリも充分な、実に親しみやすい娯楽派リリカル路線の王道然たる邁進が続き、p者の、歌心に溢れた単純明快で輪郭のクリアーな、かつ渋い余情を含んだ中々幅のある闊歩勇躍が、美味しさ抜群の新鮮な映えを示してゆく。
★エヴァンスの成果や北欧派の伝統を踏まえたロマンティック&エレガントな躍動的歌謡フレージング、或いはフォーク風味を際立たせたマイルド&ポップなリズミカル節、といったヨーロッパの耽美派らしい語り口に安定して瑞々しい妙味が発揮される。
★一方、アーシーなソウルを孕んだゴスペル〜R&B調の威勢ある情熱的歌い躍りっぷりや、寛ぎ小唄路線の正統らしい軽快な粋筋のファンキー節、にも確固たる魅力を見せるp者、その、エンタテイメント性を重視した流麗滑脱かつ簡潔な生粋メロディスト&スインガーぶりがどこまでもテイスティーに華を成し、b&dsのツボを押さえたダイナミックなサポートも頼もしげに際立った、正攻法勝負で小気味よく昂揚させ和ませるフレッシュな旨口作品。
★曲がよくて、ソロがよくて、ほどほどいい塩梅の長さで終わる。これぞいいピアノ演奏、いやジャズ演奏の全ての要諦、眼目ではないか。その音楽鑑賞の大切なところを十全に満たしているのがマティアス・アルゴットソン・トリオなのだ。
(寺島 靖国氏ライナー・ノーツより)
1. Kickoff
2. Stella By Starlight
3. My Romance
4. Autumn Leaves
5. Young and Foolish
6. Per Speleman
7. Here's That Rainy Day
8. I Will Wait For You
9. Love Is A Many Splendored Thing
10. Allhelgonablues
11. Falling Leaves
Mathias Algotsson マティアス・アルゴットソン(piano)
Martin Hoper マーティン・ハーパー(bass)
Calle Rasmusson カレ・ラスマスソン(drums #1-7,9,10)
Sebastian Voegler セバスチャン・ヴォーグラー(drums #8,11)
2006年1月 Swedish Radio,Stockholm 録音
レーベル:
Spice Of Life
在庫有り
国内制作デジパック仕様CD