★スウェーデン抒情派ピアノの最高峰ベテラン:ラーシュ・ヤンソン(1951〜)の、前作と同じ顔ぶれのトリオによる快編。
★キラキラとおぼろに光る水晶玉のような、透明感と爽涼な潤いに満ちた折り目正しいクリアー・タッチによる、ロマネスクな詩情や耽美性と、ダイナミックなアクションの迫真力やブルースの旨味、を自然に融け合わせた、ひたすら端麗でおいしいメロディーを歌うリリカル・プレイが、バランスも絶妙に軽々と練熟ぶりを示した快打内容。ヤンソン流の浪漫主義にやや軸足を寄せながら、硬軟・剛柔をキッチリ併せ持った、振り幅充分の極めてストレートアヘッドな現代ハード・バピッシュ奏演が溌剌と、簡潔に紡がれてゆき、ヤンソンの、殊更リキむところもなく、曲調・曲想に合わせて終始伸び伸びと得意のフレーズを繰り出して上機嫌、といった感じな、普段着でセッションを楽しむかのような自然体の、しかしおのずと節度や構成力が備わった軽妙滑脱なるアドリブ技が、さすが朝飯前にクリーンヒットを連発して素晴らしい。
★ルイス・ヴァン・ダイク辺りにも底通する甘美なソフト・クラシック色を加味したサロン調のリラックス路線や、フォーキーもしくはゴスペル・ライクなブルース・フレーズを絡めての牧歌的リズミカル・バラード風、などといった十八番の「ヤンソン節」も勿論絶好調だが、特に今作では、エヴァンス派の典型スタイルやマッコイ〜ハンコック系のアグレッシヴなモーダル・アクションなど、より王道中の王道を行く展開における、節回しは勇壮で情熱的なメインストリーマーそのもの!でありながら、八分目ほどに脱力した柔らかで涼しげな息遣いが奏効して、ちょっと他では聴けない独自の「クール・ライトな硬派節」が編み上げられている、ところがやはり最大の好インパクト(&芳醇さ)。
1. Shikantaza 只管打坐
2. Koan 3 公案3
3. El Piloto エル・ピロート
4. A Gentle Heart ア・ジェントル・ハート
5. Iceland アイスランド
6. He Who Sings And Sobs ヒー・フー・シングス・アンド・ソブス
7. Too Good To Me トゥー・グッド・トゥー・ミー
8. Romantic ロマンティック
9. Uroboros ウーロボーロ
10. Jamal ジャマール
11. Koan 2 公案2
12. The Organist ジ・オーガニスト
13. Hippocampus (woodwinds5) ヒポキャンパス
Lars Jansson(piano)
Thomas Fonnesbaek(bass)
Paul Svanberg(drums)
2012年1月スウェーデン-イェテボリのニレントスタジオ録音
レーベル:
Spice Of Life
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デジパック仕様CD
国内制作CD