●1960年代からストックホルム・シーンで活躍、当初はむしろオルガン奏者として、またマルチ・キーボーディスト、アレンジャーでも大いに鳴らし、自己コンボでの演奏&レコーディングの一方、腕利きの名脇役として今日まで実に膨大なセッションに名を連ね、最近も、U・ワケーニウスらとの一団:In The Spirit Of Oscarでさすがの貫祿を揮って好評を得ていた、スウェーデン・ジャズ界に欠かせないオールラウンドなベテラン・ピアニスト:チェル・ウーマン(1943〜)の、今回はピアノ・トリオによる、ジャズメン曲&スタンダード中心の一編。カッチリ堅固でキレのある、骨芯の太い、そして旨味がいっぱい詰まったようなクリアー・タッチによる、バップ&ファンキーの伝統に深く根を下ろした、安定感抜群にして瑞々しい昂揚パワーみなぎる吟醸メロディック・スウィンギン・プレイ!、が何とも爽やかに熟成ぶりを見せた快打内容。「メロディー」と「スイング」に徹底して主眼を置いた、ブルース魂もさすが筋金入りな、純正ハード・バップ・タイプの直球エンタテイメント的行き方がスカッと連続し、ベース&ドラムの重厚でいてエッジの尖った鋭角感ある敏活鳴動、に巧く突き煽られる恰好で、ウーマンの、シンプル・ストレートでありながら味わいは多彩で広がりに満ちた、さすが練磨の渋旨ソロ、=ブレなく肝の据わった語り口、がその芳醇な魅力を堂々全開させてゆく。ソウルフルかつダイナミックなピーターソン・スタイルの豪快ブルージー・アクションや、パウエル型バップ・イディオムにキッチリ則ったスクエアーでストイックげな燻し銀的モノクロ職人芸、風の殺陣プレイ、より軽やかで小粋な潤い溢れる寛ぎファンキー節、更には、バップ・イディオムを応用したちょっと朴訥げなシブめのバラード表現や、幾分かモード・スタイルに寄ったビタースウィート風味のスマートな和みフレージング、など、バリエーションも適宜豊富にひたすらオーソドックスな伝統志向の定番ワザを貫いて見せる、その律儀で潔いサバサバした芸風は説得力絶大だ。
1. Kelly's Blues
2. One For The Woofer
3. Starway To The Stars
4. The Duke
5. Squatty Roo
6. Do You Know What It Means To Miss New Orleans
7. When Summer Comes
8. Best Things In Life Are Free
9. My Foolish Heart
10. Afternoon In Paris
11. Shanna
Kjell Ohman(p)
Hans Backenroth(b)
Joakim Ekberg(ds)
スウェーデン-Sollentuna(ストックホルム内)のOAL Studio録音(2012年スウェーデン作品)
レーベル:
Prophone
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デジパック仕様CD