自己トリオや管入りコンボ、グループ:Planet Jazz、などによる多角的な活躍で株を上げてきた、Smallsを根城とするNYの人気ピアニストS・ウィルナー(1966〜)の、今回はトリオによる一編。透明感と陰影を自然に兼ね備えた、堅固でキレよく旨味豊かなピアノ・タッチによる、「ブルース」に深く根を張った表情多彩なマイルド・メロディック節と、重厚で多層的なダイナミズム表現技、の連動・連繋による中々スケールの大きな躍動型リリカル・プレイが芳醇に、ブレなく骨太い絵を飾りきった敢闘内容。ラグタイムやストライド、ブギウギなど、レトロ・タイプなブルース・ジャズ・ピアノのテイスト&様式美をけっこう大幅に盛り込みながら、ストレートアヘッドな現代ハード・バップのスタイルと巧く融け合わせてゆく、といった感じな、全般にアレンジ面の「演出性」も際立ったコンセプチュアルな展開を見せるものの、演奏自体は全くリキみや構えたところのない、わりかしラフな自然体調子でセッションに興じるかのような、気楽げな盛り上がりを示しており、ウィルナーの、アットホーム感溢れる伸び伸びとした活躍が好調だ。→幾種かの古典派的なピアノ・スタイルをショウケース風に披露する、適宜抑制の利いたドラマティックなアプローチに、ちょっと学習図鑑っぽくもある実直げな新味が発揮される一方、ソロ・パートの多くでは、ファンキーorアーシーな濃い口ソウルを全開させた50年代バップ風の豪快熱演(または熱血力学指向のモーダル・アクションやモンク調とか)、に手クセ然と横滑りしてゆく、辺りのおおらかなノリもまた楽しい、肩の凝らないエンタテイメント性満点の仕上がり。
1. La Tendresse
2. If I Only Had A Brain
3. Solace
4. Silver Cord
5. Always
6. Lullaby Of The Leaves
7. After You've Gone
8. Le Sucrier Velours
9. Little Girl Blue
10. Crepuscule With Nellie
11. I'm So Glad We Had This Time Together
12. Happy Ending
Spike Wilner(p)
Dezron Douglas(b except 2,6,11)
Joey Saylor(ds except 2,6,11)
2012年アメリカ作品
レーベル:
Posi-Tone
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CD