●先頃のモンクス・トリオ最新作も好評だった、円熟のベテラン・ドラマー:小林陽一(1953〜)の、今回は、ヴィンセント・ハーリング&エリック・アレクサンダー参加の日米混合グッドフェローズによる快編。キレのいいシャープな弾丸アタック力と、ドッシリ・ズッシリ安定した重量感、を併せ持ったドラムの、自在に小回りを利かせつつの遊撃的スウィンギン・ヒット攻勢!、に巧くプッシュされて、サックス陣やピアノの、気合軒昂にして落ち着いたダンディズム溢れる旨口プレイが、何とも伸びやかで清々しい豊作ぶりを見せてゆく会心打内容。アレンジや構成、役回りの振り当て等にも意匠はあるが、そう作り込みすぎない、バランス絶妙の明快ストレートな娯楽的スインギー奏演が、和気あいあいとしたにこやかムードで紡がれてゆき、全体を通じて、親しみやすく美しいメロディーの魅力や、ブルース由来の渋い旨味、を満載した「気さくな人情肌エンタテイメントの真骨頂」たる展開で、肩も凝らせずスカッと楽しませてくれる。やんちゃで熱血なアグレッシヴ・アクションと、折り目正しく抑制を利かせた瀟洒な寛ぎ語法、を中々楽しげに交錯させるハーリングや、半脱力調子のスモーキー&ソウルフルな純正ハード・バップ・スタイルと奔放かつ流麗なモーダル・ダイナミズム手法、を朝飯前に連結・一体化させて伸び伸び泳ぎ回るアレクサンダー、そして、バップ・イディオムにモンキッシュな語調も混ぜながら、陰影深く微ユーモラスに哀愁を歌う百々、・・・といった具合で、花形ソロイスト達の、リキみを解いた嬉々溌剌げな(自然体の)活躍が文句なしに素晴らしい。
1. Koba's Delight
2. Be My Love
3. Nemesis
4. Falando De Amor
5. Kizuna
6. Nica's Dream
7. Valse Hot
8. Un Poco Loco
9. What A Wonderful World
小林 陽一 Yoichi Kobayashi(ds)
Vincent Herring ヴィンセント・ヘリング(as except 2,4)
Eric Alexander エリック・アレキサンダー(ts except 1,4,9)
百々 徹 Tohru Dodo(p)
中村 泰史 Yasushi Nakamura(b)
2012年1月3日ニューヨーク録音
レーベル:
Monky's
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国内制作CD