★みなぎる男気もそのジャズ演奏も益々錬磨され熟成してきた(それでいてしっかりアツイ!!)、福岡の硬派一徹ギター・ガイ:中川正浩(1962〜)の第8作、=前作に続いてタード・ハマーの参加したドラムレス・トリオによる快演集。
●コクと潤いがたっぷり詰まった、中々キレよく張りのある鮮度バツグンなギター・トーンによる、端正であり豪胆でもある、メリハリに富んだ滑脱な、そして自然体な、王道まっしぐらのイナセ肌バピッシュ・プレイ!がまた何ともシブ清々しい、醸熟の魅力を伸びやかに揮いきった逸編。
★各人の役回り当てやアレンジ面に適宜濃やかな意匠が示される反面、セッションっぽい気楽なほぐれ具合をも同時に呈した、リキみなく無駄もない、バランス絶妙の「小粋な寛ぎラウンジ・バップ」とも云うべき邁進コースがキビキビ編まれてゆく中で、中川の、決して奇を衒うことなくシッカと鍛練された旨口至芸の数々を簡潔明瞭に、腰を据えて繰り出し続ける風な、男気熱く懐深い正攻法勝負の活躍が冴え渡っている。
★→クリスチャン〜ファーロウ(orケッセル)系統のバップ語法を基軸として、程好く細切れに角折れするような殺陣風のスウィンギン・アクション節をシャキシャキと炸裂させ、そうした中で随所にレス・ポールorピザレリ・タイプの瀟洒な「まろやか小フレーズ」も散りばめつつ、また勿論、もう一つの大きな柱として、ベンソン〜グリーン筋の超ホットなアーシー・ソウルフル妙技(もしくはウェス型のオクターヴ奏法)もふんだんにキメ綴り、全体を通じて、作法を違えぬ折り目正しき「型の美」が際立つ面と、より豪快で荒削りな、熱血ほとばしるダイナミズム攻勢の迫真味が強まる面、とが細かに交錯して、抑揚・濃淡ある実に味わい豊かな流れを軽々自然に形作っている、という、その熟達にして肩の力の抜けた語り口はさすが絶品だ。堅固で質素なハマーの抑え役ぶりも◎。
1. Work Song
2. Fried Banana
3. Take Five
4. Somewhere In The Night
5. I Got Rhythm
6. Sunflower
7. Like Someone In Love
8. What A Wonderful World
9. Barbados
中川 正浩 Masahiro Nakagawa(guitar)
Tardo Hammer(piano)
Tal Ronen(bass)
2011年4月16日 NYブルックリンのAcoustic Recording録音
レーベル:
Center River
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在庫有り
自主制作CD