●この顔ぶれになってから早10年を数える、重鎮:ジェフ・ハミルトン(1953〜)率いるT・ヘンデルマン入りレギュラー・トリオの、益々練熟してきた好編。ドッシリ&シャキシャキした大迫力ドラムの実にハジキのいい猛爆プッシュ攻勢!、に突き煽られながら、骨芯の据わった堅固かつ流麗なクリアー・タッチ・ピアノの、ブルースの旨味や詩情に溢れたイキなメロディック・プレイが、一貫して明るく清々しい陽光のような映え具合を見せた爽快内容。単純明快な生粋ハード・バップ・タイプの親しみやすいブルージー・スインギー奏演が、輪郭も太く鮮明に、和気溌剌とした調子で紡がれてゆき、ハミルトンの、抜群の小回り力で中々変幻自在に全方位的なフェイント・アタックを噛ましてゆく風な、ドデカ・スケールの「ゲリラ雷神」っぽい闊達機動ぶりが、全編に渡ってさすが頼もしい親分オーラ(&スイング活性パワー)を放ち続ける中で、ヘンデルマンの、自然体で伸び伸びと楽しげに主役=花形ソロイストを担いきったその、屈託なく表情豊かな歌心派インプロ奮戦が、スッキリした美味しさで座を賑わせてゆく。→ピーターソンを幾らか小振りにした感じのダイナミックなファンキー文体、を最得意の柱として、これとバップ・イディオムの混合パターンや、重低音オクターヴ弾きの頻用傾向、などによって、小粋な中にも渋〜い陰影味or力学的スクエアー感がしっかり齎されてゆく、という、何げに芳醇な名調子が冴えており、その一方、バラードでは一転して、しっとり甘美でメロウ・ムーディーな繊細ロマンティストぶりや、エヴァンス・スタイルの研鑽の跡を窺わせたり、また一部のシリアス・アクション調ではハンコック系ストレートアヘッダー的な奏法もキッチリ活用して見せたりと、適宜多彩な転回ワザにもそれぞれ確固たる妙味がある!!
1. Ain't That A Peach
2. Bye Ya
3. On And On
4. Hat's Dance
5. Too Marvelous For Words
6. Laura
7. A Sleepin' Bee
8. Red Sparkle
9. I Know You Oh So Well
10. In An Ellingtone
Tamir Hendelman(p)
Christoph Luty(b)
Jeff Hamilton(ds)
2012年アメリカ作品
レーベル:
Capri
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デジパック仕様CD