ともに幾種かの企画バンド掛け持ちで精力的な活動を続け、過去のアルバム群も好評を博してきた、デンマークの人気サックス奏者2人、女性アルトのクリスティーナ・フォン・ビューローとバリトン(普段はマルチ)のフレドリク・ルンディン(1963〜)、がコンビを組んだ双頭クインテットによる、故・ラーシュ・グリンの名曲を主演目としたライヴ編。締まりと柔らかみが微細に合わさった、ヒンヤリ爽涼で艶のあるアルト吹鳴と、陰影濃くもまろやかな温もりに満ちたバリトンの、大きく円弧を描いてゆくようなマイルド・スムースな和みめブロウ、とが、ある時は優しく妖麗に絡み合い、またある時はキリッと背筋を伸ばしてスウィンギンにリレー合戦orキャッチボール対話を繰り交わして、味わい芳醇な哀愁のリリシズム世界を瑞々しく編み上げた快適内容。ユニゾンや対位法など、ピッタリ息の合った2サックスのアンサンブルワーク、が随所で巧いリフレッシュ&アクセント効果を成しながら、根底には柔和でインティメイトな寛ぎ気分が自然と保たれた、抒情派ハード・バップ・タイプの実に心地よいハートウォーミング奏演が紡がれてゆき、両人の、繊細でいて伸び伸びとしたソロ活躍がおいしさ抜群の見せ場を飾ってゆく。フォン・ビューローの、かつてのウエスト系ソフトめハード・バッパー的なスタイルを基本とした、即ち、端正でメロディックだがP・デスモンドほどライト・スウィートでもなく、また適度に鋭い絞り感〜エッジは利いているがペッパー〜ゲラーほどピリッとスパイシーでもない、絶妙の均衡点を保った張りのある闊達プレイが、何ともフレッシュに涼風っぽい華を成しており、一方ルンディンの、今回は潔くマリガン〜グリン系統の奏法・文体に徹しきった、落ち着きと包容力ある夜想ムードの柔らかメランコリック節も、余情豊かで◎。フィッシャー(g)の場面に応じた的確な役者ぶりもキラリと光る。
1.
Primavera
2.
Fine Together
3.
Montmartre
4.
Nu Har Jag Fatt Den Jag Vill Ha
5.
Our Knob
6.
Between Romances
7.
Danny's Dream
8.
Lee Wise
9.
A New Beginning
10.
The Flight
11.
Silhouette
Christina Von Bulow(as)
Fredrik Lundin(bs)
Jacob Fischer(g)
Daniel Franck(b)
Jeppe Gram(ds)
2011年5月30-31日ライヴ録音
レーベル:
Stunt
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CD