●松尾明トリオや十五夜の花形として大人気を得てきた才媛:寺村容子(神奈川県出身)の、「Futeshism」(2004〜2005)以来久々となる自己名義アルバム=トリオ編。
★折り目正しくも力強い、透明感と暗影を表裏一体に併せ持つカッチリした硬角質の骨太クリアー・タッチによる、ハートウォームで旨口な歌心に溢れながら、同時に、殺陣アクション・タイプのゴツゴツ感ある力学的イディオム活用で、中々ハードボイルドに抑制も利かせた、バランス絶妙のオーソドックスな人情肌プレイが、一本芯の通ったシブ瑞々しい魅力を放った快投内容。
★強烈にバネの利きまくった肉太コク旨ベースのうねり波打ち轟動や、シャキーンと刀剣の突きワザ連射!を仕掛けてくるようなドラムの敏捷闊歩、にも、録音バランスの上で正三角形並の大きな比重が置かれ、スポットが当てられて、バツグンの推進剤&刺激剤を成しながら、「メロディーとスイング」を徹底重視した明快活劇エンタテイメント然たる溌剌げな行き方が一貫する。
★寺村の、伝統的バップ・イディオムを変わらぬ根幹として、岩石っぽいガツンと重厚な鳴り様の硬派グルーヴ感醸成、をキープしつつ、ちょいゴスペル・フォーキーなポップ・ソング風だったり粋筋のファンキー節だったり、レトロな哀愁小唄調のしんみり深々としたバラードであったりと、情味溢れる豊潤・多彩なメロディストぶりを伸び伸び発揮し、一部ではモード色濃いアグレッシヴ&スピリチュアルな熱血肌攻勢をも垣間見せながら、トータル的には「王道バップ」らしい堅固で渋旨なサウンド・イメージにキッチリ仕上げてゆく、という、何げにブレのない、懐の広そうな鳴音のあり様が実にステキだ。
1. Volage ヴォラージュ
2. Danny Boy ダニー・ボーイ
3. El Cantante エル・カンタンテ
4. Sailing セイリング
5. Homeland ホームランド
6. Stardust スターダスト
7. 春の嵐
8. Moon Over Bourbon Street ムーン・オーバー・バーボン・ストリート
9. Careless Love ケアレス・ラヴ
10. Danny Boy (solo ver.) ダニー・ボーイ (ソロ・バージョン)
寺村 容子 Yoko Teramura(piano)
新岡 誠 (bass)
諸田 富男 (drums)
2011年6月27日横浜Landmark Studio録音
レーベル:
寺島レコード
寺村 容子のサイトへ
在庫有り
国内制作CD(セミダブル紙ジャケット)