CATFISH RECORDS

★先年の第1作「Exprimo」も好評だった、国際的キャリア豊富な実力派ピアニスト:古谷淳(山梨県出身)の、今回は、トリオを基本としつつ途中3曲では2管クインテットにも変じる一編。★フレキシビリティ抜群の多彩な今日流ビートの上で、思索瞑想性を匂わせた端正なピアノの、クール&スタイリッシュな耽美的リリカル・プレイが中々しめやかに、余情深く絵を飾り、またクインテット曲では新主流派ブローイング・セッション風のストレート・エネルギッシュな熱い盛り上がりを見せていったりもする、という、わりかしカラフルな興趣を歯切れよく半劇的に楽しませる好投内容。
★スタイル・バリエーションはそれなりに豊富だが、ストレートアヘッドな現代モード・ジャズの幾種かの典型、という枠から逸脱はしない、根は結構オーソドックス肌らしき滑脱な快演が続き、古谷の、「耽美指向の詩的なメロディスト」を基本身上とする、抑制を利かせたきめ濃やかなソロ=アドリブ妙技が瑞々しい輝きを放っている。
★一定の硬質感あるモード派正統らしい所作をキッチリ保ちながら、アンニュイで仄暗い夜想的ファンタジー世界をじっくりと丹念に描き込んでゆく、クール・ブルーな折り目正しき哀愁バラード表現(ハンコックのロマンティスト面を踏襲?)や、キースorラーシュ・ヤンソン辺りにも底通する、牧歌的フォーキー・テイストを絡めた甘美な和みのスインギー節など、明快で親しみやすくも絶妙に個性の立ったその語り口は、何とも清新な魅力に溢れており、管入り体制での、一転して硬派な職人バッパーになりきった鋭角的アクション奮戦!、の毅然さもナイス。バリトン並に重く野太い吉本のテナー咆哮が圧巻。

1. True Changes
2. Marginal Mind
3. Traveller's Waltz
4. Home
5. Topology
6. Mother, Son And The Holy Ghost
7. The Cafe
8. The Man I Love

古谷 淳 Jun Furuya(p)
中林 薫平 Kunpei Nakabayashi(b)
柴田 亮 Ryo Shibata(ds)
黒田 卓也(tp,flh on 2,4,7)
吉本 章紘(ts on 2,4,7)

2011年日本作品

レーベル：D-musica(ダイキムジカ)

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国内制作CD