★気合の入った自主制作アルバム群で好評を得てきた、グローバルな精力的活躍を続ける(現在は福岡市在住)テナー&ソプラノ(本作ではテナーがメイン)の逸材:清水ケンG(1967年山口市生まれ)の、本盤はカナダ-トロント・シーンの顔役的なベテラン・ピアニストと組んだデュオ演集。2005年6月トロント録音。途中1曲にvlnも加わる。曲はスタンダードや有名ジャズメン作品。
★穏和でインティメイトなリラクゼーションと開放的おおらか気分が自然に掛け合わされた、歌心一杯のリリカル対話が小気味よくも伸び伸びと交わされてゆく豊穣内容である。和気あいあいとした親密な寛ぎムードと、ゆったり緩やかに波打つような潤滑なスイング感、に貫かれた歌物バラード的コンセプトの単純明朗で親しみやすい行き方が続き、息もピッタリの奥行きある連繋アンサンブル・ワークで中々端正に様式美的グルーヴや色彩的潤いが齎される。
★一方、各々の、ごくナチュラルで悠然とした調子の中にもキッチリと節度を保って一定の尺内にさりげなく起承転結的ストーリーラインを構成してゆく、均整のとれたハートフルなソロ・プレイが余情豊かに絵を飾ってゆく。太く温かな安定感抜群の旨口トーンで、ソフト&スムースになだらかな流線的メロディーを歌い上げ、或いはまた勢いよくドライヴを利かせてダイナミックなアクション節をイナセに決めて見せもするts者の、伝統的なバップ&ブルースのフィーリングと明快な歌謡性にしっかりと根ざしたコク味たっぷりの和やかブローイングが、一貫して優しく芳醇に冴え渡り(一部ssでの微妙にスパイスの利いた半熱情的モーダル・プレイも好アクセント)、一方、幾分か控えめながら、小味の利いたファンキーな寛ぎ小唄調の軽涼波乗りフレージングや、折り目正しくカッチリとしたストライド・スイング技、に瑞々しい魅力を発揮するp者の堅実プレイも、結構含蓄豊かに風流な趣を醸成した、快適にして深みある佳品。
How Deep Is The Ocean,Ask Me Now,Tenderly,Blue In Green,Body And Soul他全11曲収録
Ken G(tenor saxophone,soprano saxophone)
Norman Amadio(piano)
*Guest
San Murata(violin on 1tune)
2005年6月 TRONTO,CANADA 録音
在庫有り
CD