★益々意気盛んなデンマークの重鎮ヴィンディング(1948〜)の、今回は、JM・ピルク&B・ハートとのインターナショナル・トリオによる入魂編。
★キレのある直線的シャープネスとまろやかな弾力感を細かく交錯させつつ自在に跳ね躍るベースの、旨味たっぷり・風格堂々のうねり波打ち鳴動も絶えず頼もしげに親分オーラを放つ中、澄みきった透明感や潤いの中に力強い硬質骨太さを備えるクリアー・タッチ・ピアノの、明朗ストレートな歌謡性とややダークorビターな力学カラー(もしくは瞑想テイスト)をミックスした闊達リリカル・プレイ、が中々鋭く鮮烈に絵を飾ってゆく、歯応え充分の敢闘内容。
★ピアノとベースがダブル主役状態っぽい拮抗ぶりを随所で見せながらの、ストレート・スインギーな正統的現代ハード・バップ調と即興色濃い三つ巴インタープレイ交感的な迫真サスペンス趣向、の間をフレキシブルに行き来する、各人の集中力&瞬発力も圧倒的なあくまでリリカル体質のドラマティック熱演が連続。
★ピルクの、リキみなくもカッチリ引き締まったファンキー・バッパー・タイプの渋旨な小唄フレージングや、ガキゴキ・ガツンとくる得意の岩石タッチを全開させた重厚ダーク・ダイナミズム攻勢、はたまた、浮遊型バラード・インタープレイ曲における内省指向の耽美派ロマンティストぶりなど、その何げに表情多彩で伸びやかな活躍が清新味満点に映えており、一方、そうしたピルクの幾分かトンガッた立ち働きとは対照的に、ヴィンディングの、全てをおおらかに包み込んでゆくような、ウォーム&スピリチュアルな懐深い、そしてコク味こってりの肉厚脈動的スインギー・プレイがまた、さすが醸熟の魅力。
1. Someday My Prince Will Come
2. My Funny Valentine
3. Summertime
4. Hardly Like An Evening Sunset
5. Open Minds
6. How Deep Is The Ocean
7. Sam
8. Irah
9. Straight No Chaser
10. Golden Key
11. I Skovens Dybe Stille Ro
Jean-Michel Pilc(p)
Mads Vinding(b)
Billy Hart(ds)
2010年11月4日Audiophon(デンマーク)録音
レーベル:
Storyville
MySpaceへ
Mads Vindingのサイトへ
在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
CD