CATFISH RECORDS

★キースとエヴァンスに多大な影響を受けたという邦人ピアニスト:岩崎佳子のトリオ作品、神奈川での録音。

●本人のオリジナル楽曲群に童謡やボサノバ、チャイコフスキー曲などの既製曲を巧く交差させ、全体をトラディッショナルなフォーク・ミュージック集といった統一的カラーに仕上げている辺りの構成意匠には、中々に堅固でユニークな作家性が感じられ、その抒情的なインタープレイ演奏からは絶えずおおらかで優しい自然謳歌感や牧歌性が爽やかに香り立つ。

★コンテンポラリーなリズミック趣向に乗せてナチュラリスト/吟遊詩人然とした耽美ロマンが力強く歌い上げられる雄渾スケールの2、誰もが歌った懐かしい童謡をファンキーなお座敷リラクゼーション調の軽妙ハードバップ・スタイルで演じた3、何とも云えぬ郷愁・望郷めいた深い雅趣がしっとりと潤いある穏やかな節回しで映し出されるソロ・ピアノのバラード6、北欧の民謡を思わす甘美な哀愁のメロディーをエヴァンス的文法で紡いだ9、などその語り口は極めてバラエティに富みそれぞれに自然体な明朗闊達さがあって最高に楽しい。

★b&dsの細密端正な卓越したテクニック全開の絡み具合も、ファンタジックな物語(童話)集的な全体の流れの形成に大きく、的確に貢献。キースやエヴァンスの影はわりと薄く、3・7での生粋ハードバッパーぶりも含めピアノ奏者としての多層的かつ独自の確固たるキャラクターが認められる堂々の個性派だ。

1. Introduction〜Orpheus
2. Northern Folklore
3. ハレルヤ春の小川
4 .Something To Say
5. Barcarolle
6. 風の中で
7. Groovin'In The Rain
8. Estate
9. Little Pumpkin
10.Epilogue #1

岩崎 佳子(PIANO)
池田 芳夫(BASS)
飯野 工(DRUMS)

1998年10月7日,8日 録音

在庫有り
国内自主制作CD