★1970年代後期よりポップス系のキーボード奏者兼アレンジャーとして多忙に活躍、1990年代以降はジャズに専念し、益田幹夫に師事して鈴木良雄〜大森明〜渡辺貞夫らと共演、近年も自己のラージ・コンボを率いた活動の他、歌伴やヴォーカル・グループBreezeの音楽監督、舞台ミュージカルの作編曲など、多方面で英才を揮う野口久和(1960年東京生まれ)(故野口久光の実息)の、6管ノネットによる初リーダー・アルバム。
★スマートに整った、往年のウエストコースト物を彷彿とさせる涼やかなアンサンブル・ハーモニーが大層上品に響鳴。クールなアレンジ派もしくは小型ビッグバンド物の粋を示した、設計的・構成的な妙演が連続するが、全体的に、1950〜1960年代のハリウッドの映画やTVドラマの劇伴音楽or趣味のいいダンス・バンドを想起させる風合い、をも豊富に含んだ、実に快適な音空間が構築されており、各人のスマートにして奔放なソロの見せ場も充実している。
★精巧緻密な凝った趣向でムードたっぷりに夜の哀愁を描写するブルースCat Walk、かつてのギル・エヴァンス楽団の音響設計を模写したPoinciana、辺りが好インパクト。秀作。
1 Reggie Of Chester
2 Cat Walk
3 Nigerian Fantasy
4 Time On My Hands
5 Pavanne
6 Winds
7 Poinciana
8 Now I Need The Rest Of You
9 How About A Drink?
野口 久和(Piano,Comp,Arr)
佐々木 史郎(Trumpet,Flugelhorn)
伊勢 秀一郎(Trumpet,Flugelhorn)
中路 英明(Trombone)
山田 穣(Alto saxophone)
安保 徹(Tenor saxophone)
近藤 和彦(Bariton saxophone,Soprano saxophone,Flute)
安ヵ川 大樹(Bass)
小島 勉(Drums)
2001年11月13,14日 LANDMARK STUDIO 横浜 録音
在庫有り
CD