フィンランド・シーンで活躍し、Impalaよりのトリオ作品群で好評を得てきた女性ピアニスト:リタ・パーキの、今回もレギュラー・トリオによる一編。曲は本人やメンバーのオリジナル。モード、ブルース、バップの風趣がバランスよく自然に混在した、落ち着きと品格あるビタースウィート風味の哀愁的スインギー奏演が敏活に紡がれる好内容である。リズム・パターンもバラエティーに富んだ、全般に陰影深めでメロディックな半抑制型の詩情描写に中々渋い妙味のある、リリカル系ストレートアヘッド・タイプの歯切れよい行き方が続き、主役pの、重心のしっかりした芯の太い鋭角な明瞭タッチによる、硬軟併せ持ったドラマティックな語り口がスッキリと、かつキリッと凛々しげに冴えている。→パーカッシヴな硬質感を強調しつつの、起伏の烈しい立体力学的アクション攻勢に毅然たる本領(堅固なメインストリーマー気質)が発揮される一方、ノリにノッたマイルド&ポップな牧歌的スピリチュアル節や、爽涼なしっとり感溢れるニュアンスの細かい浮遊型の耽美派(内省スケッチ風)バラード・プレイ、にもさすがヨーロピアンらしい機微や深みがあり、またb&dsの、縦横無尽で瞬発力抜群の機動的・攻勢的サポートも、終始フレッシュ&スリリングな眩い魅力を放っている。ナチュラルでさりげなく密度の高い、精悍勇壮さとアンニュイな憂愁の交錯したテイスティー編。
1 Mental Mitten (Paakki)
2 Kenguru (Paakki)
3 Mandir (Hassinen)
4 Silla Sipuli (Paakki)
5 Villi Vaino (Paakki)
6 Ronsy (Paakki)
7 Arelia (Anttila)
8 Vuonot (Anttila)
9 Adrienne (Anttila)
10 Herpertti (Paakki)
11 Nukkumatti (Paakki)
RITTA PAAKKI (PIANO)
APE ANTTILA (BASS)
MIKKO HASSININEN (DRUMS)
2007年 制作
在庫切れ
CD