★宮之上貴昭のサイド等で活躍し、自己名義アルバムも出していた正統派ピアニスト:南野 陽征(1965年神奈川県生まれ)、を中心とした精鋭トリオ:R-men(2008年結成)の一作。
★澄みきった透明感とスモーキーな陰影味が巧いバランスでブレンドされた、重心にブレなく輪郭の太い硬角質クリアー・タッチでの、「伝統的バップ・イディオム」+「ファンキー系の趣味よき寛ぎフレージング」、という正統娯楽派の王道スタイルを基本身上とした渋旨プレイ、が安定してテイスティーに、余情豊かに座を賑わせた芳醇内容。
★ベース&ドラムのガッシリ・ズッシリした太い鳴動、も頼もしく際立ちながら、ひたすらブルージー・メロディック&スインギーな親しみやすい吟醸肌ハード・バップ快演、が溌剌と続き、主役:南野の、昔気質のオーソドックスな職人的「直球の旨味」に溢れつつ、適度な転回バリエーションも見せてゆく、明朗闊達この上なしの活躍が好調。
★文体の骨格はダイナミックな殺陣風のバップ語法でしっかり硬派に固めながら、レッド・ガーランドやウィントン・ケリー辺りに通じる軽涼できらびやかな玉転がしタッチの小唄的リラックス節、を多々盛り込んでゆき、そうしたファンキー・ソウルフルな潤いフレージングが時としてはピーターソン型のストロング・アクション傾向に推移したり、エヴァンス似の機動的ロマンティック文脈へ様変わりして行ったりと、程好く自然な色彩変化も示すその、徹頭徹尾「正攻法エンタテイメント!!」な語り口は超ゴキゲンだ。
1. Blue 'N' Boogie
2. The Good Life
3. 赤い橋の下で・・・
4. In A Mellow Tone
5. Everything Happens To Me
6. I Thought About You
7. Broadway
8. Good Morning Heartache
9. Higeoyaji No Blues
10. Dream
南野 陽征 Yosei Minamino(piano)
斎藤 草平 Sohei Saito(bass)
鎌倉 規匠 Kisho Kamakura(drums)
2010年1月 録音
レーベル：
ティートック(T-TOC)
在庫有り
W紙ジャケット仕様CD
