★トリスターノ派クール・テナーの大重鎮T・ブラウン(1927〜)の、平井庸一グループと組んだピットインでの初来日ライヴ編。
★暗影を帯びた太く柔らかな、重みはズッシリながら時折か細く甲高い鳴り様を示したりもする、中々ニュアンスに富んだ流線的テナー・トーンでの、優しくもどこかしら淡々とクール&レイジーに憂愁情緒をスケッチしてゆくような、波乗り調子の半脱力的スムース・プレイが、一聴ドライでけだるげな風合いの奥底から深〜い幽玄味を匂い立たせ、一方サイド陣の、よりストレートな精悍さを湛えた硬質奮戦も、絶妙のコントラストで鮮やかな彩りを成した、明朗滑脱にして密度の濃い充実内容。
★前半はごく気楽でインティメイトな寛ぎ歌物セッションの王道路線、中盤以降はレパートリー的にもトリスターノ・イディオムの活用度が強まるが、主役ブラウンのいい意味で「ユルい」自然体の息遣いは終始一貫していて、全体を通じて緊張の中にも柔和で伸びやかなリラクゼーションがしっかり醸成され続ける、という、基本はジャム感覚っぽいシンプル・スインギーな進行展開。
★ブラウンの、モノクロームで乾いたクール派語法と、ふくよかで潤いたっぷりのマイルドな哀愁歌謡フレージング、との、バランス配分も絶妙なミックス言語、が自然と全身に染み渡っている風な、決して肩肘張らず無作為げに飄々と、流れに任せてリキみなくスイスイ筆を滑らせてゆく熟練至芸(軽妙爽涼にして燻し銀的な渋い旨味満点)、が圧倒的な説得力〜存在感で際立っている!!!
1. Big Foot
2. Bernie's Tune
3. These Foolish Things
4. Yardbird Suite
5. Subconscious Lee
6. Lennies
7. Dig It
8. Jazz Of Two Cities
9. On A Slow Boat To China
Ted Brown(ts)
平井 庸一 Yoichi Hirai(g)
増田 ひろみ Hiromi Masuda(as)
橋爪 亮督 Ryosuke Hashizume(ts)
都築 猛 Takeshi Tsuzuki(p)
蛯子 健太郎 Kentaro Ebiko(b #1-5)
カイドー・ユタカ Yutaka Kaido(b #6-9)
井谷 享志 Takashi Itani(ds)
2009年10月27日東京Pitt Innでのライヴ録音
レーベル:
Marshmallow
レーベル(Marshmallow Records)のHP(試聴あり)へ
在庫有り
厚紙Wジャケット仕様CD