スイス-ベルンに本拠を置いて活躍する個性的トランペッター:Adrien Oggier(1976年ベルン生まれ)の率いるユニークな一団、=アルト、チェロ、ベース、ドラムとの5人アンサンブル:AOROの一作。スイス-Kehrsatz録音(2008年制作)。曲は本人の自作中心。エキゾ色やチェンバー色も適宜自然に取り込まれた、半舞踏的ノリのよさを呈する独自のおおらかげなリリカル・グルーヴ路線っぽい軽快スタイルの中で、鋭く重みあるトランペットのハードボイルドなアクション即興など、各人の迫真ソロ敢闘がスリリングに鎬を削ったりもする、という、中々興趣多彩でドラマティックなユニーク編である。パターンも多岐に渡ったリズミカルめのビートに乗せて、スピリチュアルな哀愁牧歌風の半エスニック情緒(ちょっと吟遊詩人的?)を底流させた楽曲群が、キッチリ周到に組まれたアレンジ構成に則りつつ、反面、即興ソロ・コーナーでは自由奔放な生々しい盛り上がりも見せて、振り幅充分にストーリーっぽく奏されてゆく、といったような感じで、全般に「エキゾティック・ファンク系統のコンポジション物」的な趣を持った、リリカル・アクション・タイプの熱演が続き、曲想や枠組・構造面の新鮮味と結構硬派なソロの白熱昂揚ぶり、とで大いに楽しませる。主役トランペットの、シャープでいて厚みや安定感もあり、濃いめの暗影を宿したドライな硬質トーンによる、ちょっと不敵げに凄味の利いたビター&ダークな骨太アクション・ブロウ、が迫力一杯に映える他、アグレッシヴ&ソウルフルな小回り抜群の敏速アルト咆哮や、チェンバー的スタンスにとどまらずホーン楽器のような滑脱自在な(華のある)働きも見せるチェロの勇躍、も鮮烈に際立って好印象。歯応えある力作。
1.Mali
2.Le Reve Du Gecko
3.Dewel
4.Le Secret De Sirius
5.Petite Berceuse
6.Pling Plong
7.Intersideral Peace
8.Toogoodaga
9.Nice To Be Nice
Adrien Oggier(tp,kalimba)
Achim Escher(as)
Carlo Niederhauser(cello)
Till Wyler(cello on 1,3,5,7)
Tonee Schiavano(b)
Gilbert Paeffgen(ds)
スイス-Kehrsatz録音(2008年作品)
MySpaceへ
在庫有り