★才人:渋谷毅(1939年東京都生まれ)の、先年出た石渡明廣との「月の鳥」に続く、自己オーケストラのメンバーとのデュオ・シリーズ第2弾!!
★今回は同楽団の創設メンバーの一人:トロンボーンの松本治(1957年大阪府生まれ)と組んでの一編。2007年4月6日,4月14日,6月22日アケタの店での録音。
★しっとりクールでどこかしら瞑想的リラクゼーションを匂わせるところもあるピアノの、スタンスの安定した折り目正しい流麗メロディアス・プレイと、おぼろに温かな煙霧を吹き出すかのようなトロンボーンの、丸みと鋭敏さの入り混じったスモーキー・バピッシュな渋旨ブロウ、が適宜自然にコントラストを描きつつソフト&レイジーな融け合いを見せたテイスティー編である。
★インティメイトな和気あいあいムードと、脱力した一服休憩の心情、を一貫して保った、リズム〜テンポには加減よく緩急起伏のつけられる、寛ぎ指向の滑脱で小気味よい正統的リリカル奏演が続き、一聴、「夜想詩」的な風情の気楽な時間外セッションにゆったり伸び伸びと興じているようでいて、そうした(風合いの上での)好もしいユルさの反面、展開進行には緩慢さなくビシッとキメるべくをキメる簡潔な語調が巧まず顕れていたり、アレンジ構成にも過不足なくキッチリ意匠が揮われていたりと、何げにバランスのとれた密度(とメリハリ)ある道程形成で、飽きさせず、また肩も凝らせない。
★トロンボーン者の、ブルージーな吟醸味をたっぷり含んだ、モコモコさとキビキビ感のない交ぜ具合も絶妙の、包容力あるウォームでコク旨な燻し銀的哀愁スインギー節や、ピアノ者の、バップ語法をベースとしつつあくまで柔らかく滑らかに、弾力感の利いた軽快フレーズをやや淡々と事も無げに紡いでゆく、微妙に丸っこいスマート小唄技、など、熟成された味わい豊かなソロ・プレイの名場面も多数。
1.Afternoon Melancholic When Wind Blows
2.No One Sees It
3.Boplicity
4.Come Sunday
5.帰る方法 3
6.イヌの生活
7.Soultrane
8.Blues For Alice
渋谷 毅 Takeshi Shibuya(piano)
松本 治 Osamu Matsumoto(trombone)
2007年4月6日,4月14日,6月22日アケタの店での録音
在庫有り
★変形折りたたみ 紙ジャケット仕様CD