★澤野よりの過去2作品も好評だった、1960年代から活躍するエストニアのベテラン・ピアニスト:トヌー・ナイソー(1951年生まれ?)の、新トリオによる快作。2007年9月エストニア-タリン録音。
★透明感と潤いに富んだ、端正でいて中々力強いクリアー・タッチによる、耽美色や歌謡フィーリングを根元に据えながら、重厚かつ鋭敏なダイナミズム〜攻勢的パワーも十全に備わった、モード系アクティヴ抒情派の王道らしい、明るく意気溌剌な快演が聴かれる好調編である。
★インタープレイの要素も適宜自然に盛り込まれ、リズム・パターンは次々とオールラウンドに変化して巧く劇的起伏がつけられながら、ひたすらメロディアス&スインギーなスッキリとした娯楽的リリカル奏演が歯切れよく続き、主役ピアノの、エヴァンスやハンコック、マッコイ、キースらの語法を自然に消化した、ごく正攻法のシンプル&ハートフルな闊達プレイが爽やかに冴えている。
★マイルドな詩的ロマンティシズムを緩急絡めてドラマティックに描破した、躍動型耽美派の正統然たる「優し凛々し」な語り口にキッチリ安定した本領=旨さを見せる他、音数も多い熱血アグレッシヴめの立体力学的アクションや、軽涼感ある粋なファンキー小唄風のブルース技、フォークorゴスペル的なソウル・テイストを強めたおおらかでスウィートな牧歌調、といった転回も中々の味。ストレートアヘッドな良質作。
1 I SAY A LITTLE PLAYER
2 UP JUMPED SPRING
3 SERENATA
4 BLACKBERRY WINTER
5 MY HEART BELONGS TO DADDY
6 A TIME THERE WAS
7 THE MORE I SEE YOU
8 BE MY LOVE
9 UPPER EAST SIDE
TONU NAISSOO(PIANO)
TAAVO REMMEL(BASS)
AHTO ABNER(DRUMS)
2007年9月10日,11日 録音
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デジパック仕様CD
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