★ピアニスト〜パーカッショニスト〜舞踏家〜美術アーチストとしてボストンを拠点に八面六臂の活躍を続け、EmanemやLeoよりのアルバムが好評を得ていたマルチな逸材:原田雅嗣の、自己のラージ・アンサンブルを率い(本人は舞踏でこれを指揮し)ての一編。
★ボストン録音。本人自作のコンポジション演奏、という大枠に沿った、極めて抽象純度の高いスリリングな即興的妙演が濃密かつ機動的に展開してゆく。猥雑で混沌とした「奇形の祝祭」或いは「動物園の騒乱」風なノイズ即興音群のアンサンブル=起爆感を孕みつつのカオス状態、を基軸としながら、選抜陣による雑色的・実験的な速攻インプロの小競り合いが飄然と展開する(ちょっとヨーロッパ・フリー似の)生々しい硬質路線や、一定の様式美や旋律性を指向した協調型アンサンブルor連繋プレーの際立ったコンポジションらしいサスペンス・バラード調(音響派〜アンビエント系寄りの匂いもチラつく)やダイナミック・アクション調の行き方、或いはそうした求心的アンサンブル鳴動と少数の叛乱分子的アナーキー即興を交錯させた多層的ドラマティック趣向、といった具合で道程は次々と多方面に転回してゆき、清新な驚きと昂揚が絶えない。
★各人の隠微にして奔放溌剌たる即興プレイもそこかしこで火花のように眩く映えながら、激しく変動する大河(&支流)のうねりのようなスケール充分の道行きに結構エモーショナルに酔わせる、小回りの利いた生鮮な敢闘作。
1 SPOOLS
2 ENTERPRISING MASS OF CILIA
3 PROCESSION OF ECHO
4 PHYSIO-MECHANICAL PULSE
5 A ROOM
6 SPROUTING SELF-SIMILARITY
7 ELEMENT OF RESISTANCE
8 DISTANCE PROPITIATE
9 FLEETING DESPOT
Greg Kelley(tp)
Bhob Rainey(ss)
Aleta Cole(vln)
Frederic Viger(vla)
Glynis Lomon(cello)
Vic Rawlings(cello,electronics)
Mike Bullock(b)
Jonathan Vincent(acc)
James Coleman(theremin)
Tatsuya Nakatani(per)
Masashi Harada(condancion,voice)
2001年3月17日 Boston 録音
在庫有り
CD
