★NY主流派シーンで多忙を極める早ヴェテランの人気敏腕ドラマー:ビル・スチュワート(1966年米アイオワ州デモイン生まれ)の、今作は、ウォルター・スミス3世(ts)&ラリー・グレナディア(b)とのオールスター・サックス・トリオによるNYCヴィレッジ・ヴァンガードでの白熱のライヴ編。
★重みをもって分厚くダイナミックにガッシリとビートを叩き出すドラムや、おぼろにしてワイドなスケールのデカいウネり撥ね具合を見せるベース、らに頼もしくプッシュされながら、丸みと締まりを併せ持ったトーンのテナーが、ハード・ドライヴ感を全開させるもワンポイントの余裕を絶やさない、逞しいタフネスの中にウィットっぽさを匂わせてのブルージー・バピッシュ・プレイを滑脱に綴って、硬派精悍かつアジな華を成した、全体を通じ極めてオーソドックスなサックス・トリオ物の王道を行く進撃が続いて、ひたすらテイスティー・グルーヴィーに壮快な昂揚感と醸熟の旨味を満喫させてくれるスカッとした会心打内容。
★かつてのロリンズやジョーヘンのトリオ演奏を彷彿とさせる、至って真っ当なドライでゴツゴツ感あるスウィンギン熱演が雄々しげに展開してゆき、スチュワート(ds)やグレナディア(b)のドッシリ構えた男臭さ漂うダイナミズム攻勢に上手く触発される恰好で、一座の花形役を担うスミス(ts)の中々ユニークなアドリブ妙技が余情豊かに冴え渡って、大いにウナらされる。
→基本スタイルはロリンズやジョーヘンに底通する、ハード・ドライヴィングに渦巻きウェイヴを描きつつブルース節やバップ節を歌うストロングなタフガイ然たる行き方を旨としているものの、スミスの場合これに独特の脱力感や思索性、モーダル・スピリチュアリティなどが加えられていることによって、固有のけだるさ・物憂さ・リラクゼーションも含蓄っぽく醸し出される辺りに得難いオリジナリティがあり、これを浮遊感も絡めて安定律動と妖しいトグロ巻きの両輪でバックアップするスチュワート&グレナディアのリアル・スリリングな助演とも相まって、アウトラインは正攻法でありながら巧まぬ変化球も適量織り交ぜられた新味充分の音景色が創出されており見事。雄渾でいてさりげなくクール&クレヴァー。
1. Ten Foot Two (9:17)
2. Purple Veil (7:12)
3. Mynah (7:38)
4. Turquoise (5:42)
5. Space Acres (9:14)
6. See Ya (8:07)
7. How Long Is Jazz (9:11)
8. Ace (6:41)
9. 7.5 (12:02)
Walter Smith III (tenor saxophone)
Larry Grenadier (bass)
Bill Stewart (drums)
2023年9月22&23日米ニューヨークシティのthe Village Vanguardでのライヴ録音
2025年オランダ作品
レーベル:
Criss Cross Jazz
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