CATFISH RECORDS

★ローマを拠点としてジャズ・ピアノと作曲の修練を積み、1980年代頃から映画やTV番組の音楽の作曲を数多く手がけるようになって、巨匠エンニオ・モリコーネとのコラボレーションでも幾多の映画製作に携わってきた、主にサントラ音楽の分野で大いに(国際的に)名を馳せるイタリアのヴェテラン作曲家兼ピアニスト：ルドヴィコ・フルチ(1959年イタリアのメッシーナ＝Messina生まれ)の、本盤はベース＆ドラムとのピアノ・トリオによる純ジャズ・アルバム。作編曲は全てフルチ本人の手による。

★折り目正しくきめ濃やかでこざっぱりした清潔感+スマートさや潤いを湛えた、一音一音が鮮明な輪郭で響鳴しクリアーに浮かび上がってくる歯切れのいいクリスタル風タッチのピアノが、ヨーロピアンならではの幾分か甘美でロマネスクな奥行きある詩情描写を根幹とし、転回的にアーシーorモーダルなアメリカン・メインストリーマー気質っぽいグルーヴィー・フレーズも適所適量盛り込んでくる、トータルとしてはあくまで旋律や和声の端麗さを巧まぬ自然体で重んじた吟遊牧歌詩人風の安定感ある抒情派メロディック・プレイ、を潤滑かつソリッドに綴って瑞々しい青嵐が吹き抜けるかの如き鮮やかな妙味を揮い、ベース&ドラムの縦横に駆け巡る機動性抜群の鋭敏なサポートもグルーヴとスリルを的確に高めた、全体を通じ至って取っ付きやすい晴れ晴れと歌う快演が連続して、実に爽やかに感動させられる白眉の会心打内容。

★オリジナル曲のスウィートで涼やかそして作法に適ったジェントル・テンダーな曲想にも大いに魅了される、一貫して歌心と今日流のスイング感を何より大切にしたごく明快で親しみやすい娯楽指向のリリカル奏演が、イキイキ溌溂と朗らかに展開してゆき、1曲1曲はそう長すぎず程好い尺にまとめられたスイスイ進む快適な道程の中、団子トーンで弾みよくウネるロスチリオーネ(b)や鋭くパンチ・アタックを嚙ましてくるアリアーノ(ds)に上手く触発されつつ、フルチ(p)の澱みなく殊の外美しいメロディーを泉のように歌い続けて1ミリもブレず揺るがぬマイルド・ポエティックなアドリブ妙技が、生鮮度抜群にして旨味にも事欠かない圧倒的冴え渡り様を示して見事。

→大雑把に捉えるならルイス・ヴァン・ダイクやラーシュ・ヤンソンをイタリアへ持って来て更に陽気に牧歌化・歌謡化した感じか、明るく晴れやかかつまろやかな筆致の内側に深い哀愁を潜ませ、しかも"リアル・ジャズ・ピアノ"の証しである伝統的ブルース・フィーリングやバップ・スピリットも自ずと豊富に備わっていて端々に吟醸感もしっかり漂う、という、風合いのアウトラインは耽美派の繊細ロマンティスト体質ながら結構粋渋なファンキー色が時折飛び出したりもするそうした弾鳴は、メロウ・エレガントであり懐深げでもあるさすが年季の入った熟成を実感させる。ウ〜ム降参です。

01. Der Erste Tag Des Jahres
02. Un Amore Nascosto
03. One For Tobias
04. I Baci Sulla Pelle
05. Ti Racconto Di Me
06. Una Giornata Particolare
07. Il Pensiero Di Te
08. Deep Into Your Soul
09. Einfach So
10. Grit
11. Le Nostre Parole
12. Un'altra Possibilità (solo piano)
13. Il Terzo Incomodo
14. Die Hoffnung (solo piano)

Ludovico Fulci (piano)
Dario Rosciglione (bass except 12, 14)
Amedeo Ariano (drums except 12, 14)

2024年イタリア作品

レーベル：Alfa Music

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輸入盤CD
入荷予定時期：2025年1月下旬〜2月上旬 受注締切：2024年12月19日
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