★イタリア主流派シーンで活躍し、過去Ultra Sound Recordsにリーダー吹き込みのあった、モダン・トロンボーンの中堅実力者:アンドレア・アンドレオーリ(1983年イタリアのベルガモ生まれ)の、今回はワンホーン・カルテットによる一編。エンジニア(録音/マスタリング/ミックス)はステーファノ・アメーリオ。
★張りや伸びそして鋭い破裂力を備える一方で煙霧のような霞み・柔らかな掠れ様を呈し、内側から豊かな旨味が溢れ出てくる感じのスモーキー・テイスティー・トーンのトロンボーンが、濃やかで端正な整った立ち居振る舞いを貫きながらひたすらダウン・トゥ・アースに吟醸ソウル満点のウォーム・リラクシング・ブロウを悠然と、軽々と繰り出して何とも味わい深く含蓄ある魅力を放ち、ある時はファンキーまたある時は耽美的でロマンティックな敏活ピアノや雄弁でスピリチュアルな肉太ベースらの小回りの利いた立ち働きも、トロンボーンとは絶妙のコントラストでおいしい彩りを添えた、全体を通じ気さくそうな優しい人情味と温もりに好もしく支配された寛ぎめの道筋を心地よく愉しませる、主役トロンボーンのリキみなくも包容力に富んだ粋渋なキャラが何よりキモの快適ハートフル内容。
★ダイナミックな歯切れよいスイング感や迫真のスリルを湛えると同時にインティメイトな和気やリラクゼーションも欠かさない、歌心最重視でブルース・フィーリング&バップ・スピリットも潤沢に備わった伝統志向と現代感覚の理想的折衷型、とでも云えそうなごく親しみやすい抒情派メロディック路線のド真っ当ハード・バピッシュ快演が、人肌の体温をもって溌溂と展開してゆき、鋭利敏捷でツボを心得た瞬発力もバツグンなリズム・セクションの遊撃機動ぶりに上手く刺激され、またガッチリ支えられつつ、アンドレオーリ(tb)の泰然自若げで1ミリもブレないアドリブ至芸=生粋のメロディスト&スインガーたる活躍が、殊の外豊饒なる冴えを、肥沃さ具合を見せてゴキゲンだ。
→絶えず力は八分目以下に抑えてゆとりや寛ぎ感、ウィット+洒落心を保ってひたすらハートウォーミングに哀愁ロマンを歌い上げる、しかもその語調にはアーシーなブルース・テイストや幾分オールド・ファッションなバップ色が一杯に詰まった、加えて吹奏テクニックの上でも鍛え抜かれた超精確さを事も無く維持して涼しい顔の、そういうイキでイナセでしっかりジェントルマンでもあるモダン・ジャズ・トロンボーンの理想的見本のようなサウンドのあり様は、実に芳醇で風流で余情にも富み非の打ちどころなし。どちらかと云うと伝統に寄ったアンドレオーリに対し、より柔軟にコンテンポラリー(或いはモーダル)・カラーを打ち出してくるロカルニ(p)の助演もナイス・アクセント。
1. Brother (Andrea Andreoli) 5:17
2. Chiara (Andrea Andreoli) 7:58
3. Papa' (Andrea Andreoli) 4:36
4. Stefano (Andrea Andreoli) 5:07
5. Ansia Suite (Andrea Andreoli) 7:58
6. Vivi (Andrea Andreoli) 4:17
7. Sad Hawk (Andrea Andreoli) 5:21
8. Mamma (Andrea Andreoli) 4:54
9. Redemption Song (Bob Marley) 4:33 (tb & p duo)
Andrea Andreoli (trombone)
Simone Locarni (piano)
Carlo Bavetta (double bass except 9)
Matteo Rebulla (drums except 9)
2024年3月7-8日イタリア-ウーディネ県CavaliccoのArtesuono Recording Studios録音
*recorded, mastered and mixed by Stefano Amerio
レーベル:
Abeat Records (Abeat for Jazz)
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