★依然超多忙を極めるブルース・センス抜群な当代バップ・ギターの第一人者：ピーター・バーンスタイン(1967年米ニューヨークシティ生まれ)の、自己単独名義のアルバムとしてはちょっと久しぶりとなる本盤は、ブラッド・メルドー(p)をフィーチュアした緊密オールスター・カルテットによる一編。
★シャープなキレや張りと豊かな潤いや旨味を自ずと併せ持つ、骨芯のしっかりした堅固な安定感あるソリッド・トーンのギターが、ブルージーな濃い吟醸テイストやバップ由来の殺陣アクション性を多分に絡めながら哀愁的情緒や力強いエモーションをダイナミックに活写する、リリカルだが甘くない陰影に富んだ鋭角なビター・メロディック・プレイを敏活滑脱に綴って、精悍で凛々しくも中々渋〜い微妙にくすんだようなアジな魅力を放ち、パーカッシヴ・タッチでハードに迫るピアノの硬質弾奏も全体の引き締めに一役買った、全般に芳醇さと質実剛健さの入り混じった雄渾の世界を歯切れよく愉しませる、何げに高密度な好演内容。
★メロディーや和声の美とスイング感を何より大切にするも決して甘さに流されることなくキリッとした緊張感〜背筋の伸び具合が巧まず保たれる、苦味走ったハードボイルド調のしかし抒情性にも事欠かぬアーシー・バップ快演が鋼の堅牢重厚さと剃刀のキレをもって敏捷に展開してゆき、リズム・セクションの堅実にして芸の細かい安定した律動感を齎す卓抜なバックアップにガッチリ支えられ、また触発されて、バーンスタイン(g)の、適度に張り詰めてはいるものの概ねリキみを解いた自然体調子で鍛え抜いた得意ワザの繰り出しに徹する感じの、あくまで衒いを排し何の変哲もない王道節を謹厳そうに歌う様が明快かつ含蓄深い妙味を揮っていて絶品だ。
→大雑把に捉えるなら、グラント・グリーン発ケニー・バレル行き、とでも云えそうな、濃厚な吟醸ソウルとクールな躍動力を兼ね備えた持ち前のアクティヴ・ダウン・トゥ・アース・フレージングがここでも絶好調の冴えを見せており、その至ってブルース色の濃い立ち回りの中にちょっと冷たく翳った幽玄が見え隠れする、辺りのさりげなく懐の広そうな巧まぬ弾鳴のあり様は、奥行き充分で風流この上ない。加えてメルドー(p)の、わりかしカタギっぽいバップ&モードの定番語法と例によって独自の打楽器色を強めた半記号的・半信号的力学ワザをミックスしたマイペースな働きも好アクセント。
↓LPの収録曲順は判明後、更新致します。
1. Perpetual Pendulum (Peter Bernstein) 6:28
2. Ditty For Dewey (Peter Bernstein) 6:11
3. You Go To My Head (J. Fred Coots / Haven Gillespie) 6:17
4. Born To Be Blue (Mel Tormé & Robert Wells) 2:34 (solo guitar)
5. Better Angels (Peter Bernstein) 5:58
6. Hazel Eyes (Peter Bernstein) 6:08
7. No Problem (Duke Jordan) 5:53
8. Lament (J.J. Johnson) 3:47 (solo guitar)
Peter Bernstein (guitar)
Brad Mehldau (piano except 4, 8)
Vicente Archer (bass except 4, 8)
Al Foster (drums except 4, 8)
2024年4月1日米ニューヨークシティのPower Station Studio A録音
レーベル：
Smoke Sessions
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限定生産輸入盤LP
入荷予定時期：2024年10月中旬 受注締切：2024年9月26日
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