CATFISH RECORDS

★ブラック情魂肌テナーの名匠：ファラオ・サンダース(1940年米アーカンソー州リトル・ロック生まれ、2022年カリフォルニア州ロサンジェルスで死去)とその子分筋にあたるドラマー：ノーマン・コナーズ(1947年米ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ)(コナーズはサンダース率いるグループの一員であった)の鉄壁スピリチュアル・コンビによる、パーカッションやキーボードのセクションを強化したミドル・サイズのコンボによる、1978年7月22日スイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァル出演時のステージの模様を収めた傑作ライヴ・アルバム(Arista Novus AN 3021)の再CD化版。

★一打一音にこってり濃い魂のこもった風なドラムやパーカッション、ピアノらの肝の据わり様も只事でなさげな力強い鳴動が、一種のアクション瞑想世界とも云うべき殊の外雄々しい音場を形成する中で、アグレッシヴに燃え上がるソプラノサックスの雄叫びや、結構ハード・バピッシュなトランペットのグルーヴィー・ブロウ、ノリノリで熱いパッションをハジけさせるピアノの疾走感あるダイナミズム攻勢、祈るような奥深いスピリチュアリティと烈しいストロングネスを併せ持ったテナーサックスのハード・ドライヴィングな骨太咆哮、などが切実な気魄とエモーションに満ちた怒涛の見せ場をひたすらタフに、重厚に繋いでゆく圧倒的昂揚内容。

★フュージョン全盛の時代にあって敢えて質実剛健に泥臭くブラック・スピリチュアル・ジャズの真髄を堂々示して、迷いなく悔いなきところを見せる確固とした完全燃焼のエネルギッシュ熱演、が精悍毅然そうに濃密に推し進められてゆき、全者一丸となって燃えまくり、暴れまくる、1ミリも揺るがぬ男気爆発の前のめりなそうした押せ押せ驀進には問答無用に圧倒され、興奮させられっぱなしだ。

★前半ではソプラノ中心に吹くBuzzy Jonesがメディテイティヴ・クライ!的な吠えっぷりで屈強げに熱血極まる華を成し、#3で漸く真打ち登場然と姿を現すサンダース(ts)の、豊饒なるヴァイブレーションや詩情とフリーキーな破壊性のない交ぜになったハード・ドライヴ感溢れる全身全霊の逞しきブロウも、雄渾たるスケールをもって理屈を越えた感動を齎したり(※サンダースはリーダーだが本盤では出番はさほど多くない)(→とは云え現れるや赤子の手をひねるが如く?一気に座をさらってしまう辺りはやはりさすが!)、またボビー・ライル(p)のヴァイオレントなまでに過激に燃え盛るシーツ・オブ・サウンド攻勢も圧巻だったりと、道程はただならぬ超エキサイティングなスペクタクル名場面のオンパレード。

1. Babylon バビロン
2. Beyond A Dream ビヨンド・ア・ドリーム
3. Montreux Overture モントルー・オーヴァーチュア
4. The End Of The Beginning ジ・エンド・オブ・ザ・ビギニング (p & per only)
5. Casino Latino カジノ・ラティーノ

Pharoah Sanders (tenor saxophone on 3, 5)
Norman Connors (drums, timpani, percussion)
Duke Jones (trumpet)
Buzzy Jones (tenor saxophone, soprano saxophone, flute)
Greg Hill (guitar)
Bobby Lyle (piano on 3-5)
Billy McCoy (piano, keyboard)
Jacques Burvick (keyboard)
Alex Blake (electric bass)
Lawrence Killian (conga, percussion)
Petro Bass (percussion, conga)

1978年7月22日スイス-モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音
＊原盤：Arista Novus AN 3021

レーベル：Sony Music

在庫有り
国内制作CD(極HiFiCD／音匠レーベル仕様)