★単純明解によく歌い力強くスイングするエンタテイメント派のストレートアヘッドな豪胆プレイで鳴らし、1980年代からSunnyside/Jazz City/Muse/Space Time等に気合の入った優良レコーディング群を残してきた逸材ドナルド・ブラウン(1954年ミシシッピー州ディソータ生まれ)の、馴染みの2人と組んだトリオによる快作。
★ブルース・フィーリングとスピリチュアリティに溢れた、懐深いおおらかな抒情派演奏が伸び伸びと決め込まれる明朗内容である。
★モード色も濃く絡めつつブルージーな哀愁を力強く熱情的にじっくりと活写してゆくスロー・バラードや早足スインギー調、軽みとウィットを絶やさない小唄路線の王道然とした波乗り気分の粋なファンキー・リラクゼーション趣向、シアリング的コードワークを巧く活用したクール&エレガントなボサノヴァ、エヴァンスをよりモーダルに大振り化したような弾力的ダイナミズム一杯の耽美派スインギー・バラード、コンテンポラリーめのポップ・フィーリングを満載したライト&リズミカルな歌謡インスト風、アーシー・ソウル全開の豪快な突進ブルース大会、等々、曲によって文体やスタイルに適宜変化をつけながら、歌心満点&リズム感抜群の劇的勇躍を(気負いなく自然体で)嬉々溌剌と演じ続ける主役p、その、タフで温かな鳴音キャラクターと表情豊かな骨太のストーリーテリングが、文句なしに圧倒的魅力(訴求力)を発揮しており、またb&dsの、敏捷かつダイナミックに捲くし立ててくるような、スリルとウェイト感たっぷりの機動的サポートも鋭く冴えている。
★スケールも雄大な、実に頼もしい旨口の勇壮リリシズム世界が強者3人の連繋でガッチリと組み上げられた、理屈抜きの痛快昂揚編。キーワードはやはりブルース。
1. Make sure you’re sure
2. I can’t give you anything but love
3. Strange
4. Miro’s Flight
5. I was just thing about you
6. Dorothy’s love letter
7. If I should loose you
8. Willow weep for me
9. Killer Joe
10. Autumn in New York
Donald Brown(piano)
Essiet Essiet(bass)
Billy Kilson(drums)
2000年5月22日,23日 録音
Direct 2 tracks by Pierre Bornard
在庫有り
CD