★米ニューヨーク・シーンで活躍するオハイオ州トレド育ちの若手女性歌手:エイプリル・ヴァーナーの1stアルバム=変動的小編成で自身の名前である"April"に因んだナンバーを歌う。
★トーン高めでしなやかな張りとクリーンに澄んだ透明感や程好い潤いを湛えた明晰なるクール・ヴォイスが、一語一語・一声一声に丁寧に情感を込めると同時にブルース&バップのフィーリングを中々濃厚に反映しての、親しみやすくリリカルでありしっかりグルーヴィーでもあるジャズ・ヴォーカルの真髄然とした躍動感溢れる演唱を綴って、実にフレッシュかつテイスティーな鮮度抜群の華を成し、インスト陣の手加減なく白熱したハード・バップ演奏も迫真のスリルとダイナミックなノリを頼もしく強化しきった、全般に豊かな情緒性と歯応え充分のジャズならではのグルーヴの両方を潤沢に愉しませてくれる会心打内容。
★インティメイトな和気っぽさと迫力満点のパワフルなスウィンギンさや重厚感をごく自然に並立させた、歯切れよく小気味のいい邁進が続き、スモーキーで旨味たっぷりのスティーヴンス(ts)やベナックIII(tp)、ソリッド&スクエアーそしてテンダーなCardello(p)、ら演奏勢の簡潔にして濃密な敢闘もコク深く際立つ中で、彼らと堂々五分に渡り合うヴァーナー(vo)の、清新な覇気を多々感じさせるも殊更に気負ったところのない按配絶妙の歌い回しが、爽やかでいて余情ある魅力を揮って何とも素敵だ。
→序盤こそ吟醸的ブルース節やスキャット技にもこなれたところを見せる本格派タイプのアプローチでノリノリに昂揚させるが、その後はバラードや寛ぎ系の曲調が中心となってヴァーナーの歌唱スタイルもよりメロウ・ムーディーでしっとりとした抒情派タイプへ移行、しかし締めるべきところはバップ・ヴォーカルの正統らしくしっかり鋭敏に締めても見せる、という、少なくとも本盤を聴く限りどちらかと云うと柔和なリリシスト体質寄りで、声音そのものの幾分ヒンヤリした爽涼さも手伝ってクール派とリリカル派の折衷的な洒脱めの個性を形作っているが、しかしよりアクティヴ或いは旨口っぽいノリにノッた節回しにも確固たる説得力が認められたりと、そうした硬軟併せ持つ自然なバランスのとり様には奥行き十分(結構底知れぬ包容力か)の妙味がある。
01. April Blues (vo & b duo)
02. I'll Remember April (♀vo-tp/♂vo-ts-p-b-ds)
03. Joy Of April (vo-ts-elg-p-b-ds)
04. April Come She Will (vo & elg duo)
05. April Give Me One More Day (vo-tp-ts-p-b-ds)
06. April Again (vo-ss-p/org-b-ds)
07. Sometimes It Snows In April (vo-p/elp-b-ds)
08. Dear April (♀vo-♂vo-p/elp-b-ds)
09. April In Paris (vo & p duo)
10. Lost April (vo-tp-ts-p-b-ds)
11. Who Let April Back In My Dreams? (vo-p-b-ds)
April Varner (vocal)
Caelan Cardello (piano except 01, 04) (organ on 06) (electric piano on 07, 08)
Russell Malone (electric guitar on 03, 04)
Reuben Rogers (bass except 04, 09)
Miguel Russell (drums except 01, 04, 09)
Benny Benack III (trumpet on 02, 05, 10) (vocal on 02, 08)
Dayna Stephens (tenor saxophone on 02, 03, 05, 10) (soprano saxophone on 06)
Theo Bleckmann (vocal arranging & production on 08)
2023年8月29-30日米ニュージャージー州パラマスのTrading 8's Studio録音
2024年カナダ作品
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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見開き紙ジャケット仕様CD