端正でマイルド・ロマンティックなピアノやハード・バップの本道を突き進む粋渋なテナーサックス&トランペットが和やかに見せ場を分け合う、至って親しみやすいスペイン発・寛ぎ抒情派路線の逸品 CD JOAN MONNÉ QUARTET ホアン・モネ / NEW BOTTLES, OLD WINE [FSRCD 5129]
★スペイン-バルセロナのシーンで長らく地道に活動を続け、Fresh Sound New Talentから着々とアルバムも発表して支持層を拡大してきた、情味溢れる辣腕ピアニスト:ホアン・モネ(1968年スペイン-バルセロナのMolins de Rei生まれ)の、今回は、トランペット、テナーサックス、ベースとのドラムレス2管カルテットという一風変わった体制での自作曲中心の一編。
★ドラムレス編成ならではの柔らかみや丸みを帯びたトータル・サウンドも心地よく、インティメイト&リラクシングなリリカル指向の歌心溢れるソフィスティケイテッド・バピッシュ奏演、が温もりも一杯に優しく小気味よく展開してゆき、1ミリもブレず律動ドライヴするFerrer(b)や翳りある精確なダイナミック弾奏の内側から何とも云えぬ哀愁を立ち昇らせるモネ(p)、らの抑えの利いた立ち働きも各々行間豊かな魅力を際立たせつつ、フロントに立つ花形役のde la Rubia(ts)やLatorre(tp)らの腰の据わった伸びやかな活躍がコク旨なる映えを示してゴキゲンだ。
★Santi de la Rubia(ts)の、脱力調子で滑らかに流線形を描きながらスモーキーな陰影に彩られた独特のけだるさ〜頽廃色を漂わす寛ぎブロウ、が中々にシブいアジな本領を発揮する一方、Latorre(tp)のピリッと凛々しくシャキッと背筋の伸びた趣とまろやかな牧歌詩人の態とが渾然一体化した鮮明吹鳴も絶妙のコントラストを成しつつ拮抗、加えて彼ら二人の純ハード・バッパー的芸風に比し、ちょっとヨーロッパ耽美派寄りのロマンティシズムやエレガンスを垣間見せるところもあるモネ(p)のさすが伊達に年季を重ねてはいない円熟至芸が、全体に上手いアクセント効果・リフレッシュ効果を齎して芳醇なる底力を軽々発揮していたりと、ソロ・コーナーは殊の外充実した聴きどころの連続。
01. La Cara Oculta 6:39
02. La Broma 3:33
03. My One And Only Love 6:12
04. 1934 / 1944 5:13
05. Homenaje 5:34
06. Iris 7:05
07. Rubato 4:33
08. Where's Freddie? 7:20
09. Lluna 8:00
10. All The Things You Are 4:28
Òscar Latorre (trumpet)
Santi de la Rubia (tenor saxophone)
Joan Monné (piano)
Rai Ferrer (bass)
自己トリオや4人ユニット=Alguimia、そして歌手Carme Canelaとのコラボレーション、等によるFSNT諸作品でお馴染みな、スペイン-バルセロナのシーンで精力的に活動するピアニスト:ジョアン・モネ(1968年バルセロナのMolins de Rei生まれ)の、本盤はスペインで活躍する新進気鋭の若手テナー奏者、Santi de la Rubia、トランペットにÒscar Latorre を迎えドラムレス・カルテットでの演奏。オリジナル曲と「My One and Only Love」「All the Things You Are」のスタンダード2曲を収録。