★Peter Kenagy(tp)のFSNT盤などで腕を揮っていた、ボストン界隈で活動するas&ss奏者の、デュオから6tetまでの幾種かのコンボによるセッションをまとめた一編。マサチューセッツ州ウエストウッド録音。曲は本人の自作中心。
★優しくまろやかな牧歌的リラクゼーションを底流させながらの、クールネスと熱情性の入り混じった極めてユニークなコンポジション派タイプのリリカル奏演が滑脱に展開される、含蓄味も充分の好内容である。
★パターンも多岐に渡った今日流のリズミックなビートに乗せての、緩やかに(大きな)流線的うねりを描いてゆくような、穏和でいて起伏メリハリのある中々小気味よい行き方が続き、スコアーも入念に練られた「コンポジション演奏」らしい作劇構成的(かつ様式美的)なストーリーライン創出が大枠を成して、独自の作家性(ちょっとフォークっぽいおおらかな吟遊詩人的世界観とか、研ぎ澄まされたクール&インテリジェントな設計意匠とか)が色濃く打ち出されつつも、同時に生々しい即興ソロの見せ場がふんだんに用意され、各人の自由闊達で伸び伸びとした活躍がスリリング&エモーショナルな盛り上がりを示して、新鮮味=迫真力と昂揚感は満点。
★動きの烈しいアグレッシヴな熱血アクションや、端麗でしっとりとしたソフトネス溢れる唯美的バラード・プレイ、更にはアブストラクトな幾何学的・実験的フリー即興技や、ポップ&キャッチーな開放感一杯の軽快歌謡フレージング、など、表情多彩でごく滑らかな主役saxの歌い泳ぎ様が清やかに映え渡り、不敵でちょっと邪悪なダーク・テイストを顕示するg者の暗躍や、柔和で温かくも陰影深いスピリチュアルなtb(B・ブルックマイヤー!)、らも存在感たっぷりに美味しい彩りを添えた、オリジナリティ抜群にして結構親しみやすい半シリアスめ抒情派筋の逸編。
1.Every Step
2.Tut Muffin
3.Marin
4.Fish Lake
5.Blinks
6.Eternal Flame
7.Red Keys
8.Indecision
9.Wednesday
10.Loaded
11.Afterthought
Jeremy Udden (alto saxophone,soprano saxophone)
Bob Brookmeyer (v-trombone)
Nathan Blehar (tenor saxophone)
Ben Monder,Tim Miller (guitar)
Leo Genovese (el-piano)
John Lockwood,Garth Stevenson (bass)
Matt Wilson,Ziv Ravits (drums)
在庫有り CD
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