★ギターのヨアヒム・シェーネッカー(1966年旧西ドイツのザールブリュッケン生まれ)を中心に、人気ピアノのマルチン・ザッセ(1968年旧西ドイツのハム/ヴェストファーレン生まれ)、ベースのマルクス・シーファーデッカー(1972年旧西ドイツのニュルンベルク生まれ)、といういずれもキャリア豊富なドイツの精鋭陣が顔を揃えた連名ドラムレス・トリオ(旧式ピアノ・トリオ?)の一編。
★細く尖ったシャープなトーンのギターがブルース色濃くも潤いたっぷりに哀愁的情緒&グルーヴを体現し、強固で堅牢なストーン・タッチのピアノが殺陣的ダイナミズムを交えながらファンキー・スウィンギンに躍動、そして粛々と半ばストイックに安定律動しつつ重厚さとウォームネスを振りまくベースの立ち働きもピアノ&ギターを的確に盛り立てきった、全体を通じ粋で渋い旨味も満点なバピッシュ・リラクゼーションの世界をノリよくおいしく愉しませる快演内容。
★インティメイトな和み気分が変らず底流し、歌心とスイング感を何より大切にした単純明快直球型の"ラウンジ・バップ"とも云うべきごく親しみやすいリリカル奏演、が小気味よく軽妙流麗に展開され、敏活であり伸び伸びとリラックスしてもいる按配絶妙の洒脱な道程の中で、シェーネッカー(g)とザッセ(p)の終始ゆとりをもって友好的ムードで繰り広げられる主役争いや、結構度々そこへ割って入ってメロディアスな豊潤ソロをカマすシーファーデッカー(b)の雄弁なるハッスルぶり、などが間断なく見せ場を繋いで、一瞬も飽きさせず「寛ぎセッションの理想形」的音空間が創出されており見事。
★シェーネッカー(g)の、クリスチャン〜ケッセル系バップ・ギターの正統スタイルを先ずは根幹〜出発点とし、ウェス・モンゴメリーに通じるイナセでホットなオクターヴ奏法やちょっとジム・ホール似のクール節といった転回も織り混ぜ、トータルとしては極めてオーソドックスでありながら古めかしいところのないアップトゥデイト感ある清新な音像イメージにチョチョイのチョイと軽々仕上げた、何げに余裕ある懐深げなその滑脱プレイが傑出しており、一方ザッセ(p)の、オスカー・ピーターソン的ファンキー・スタイルを幾分か硬質バップ方向へ寄せた感じのイキな語り口を基調とし、時折エヴァンス以降のモード系リリカル派ピアノの典型らしいスマート&ロマンティックな詩人面をも的確に発揮する、という一貫して作法をわきまえたやや控えめともとれる振る舞いがまた、余情豊かな魅力を放っていて好印象。
1. Blues For PB
2. Body & Soul
3. Groovy Waltz
4. Longing
5. Green And Blue
6. One For Jeannine
7. Autumn In NY (solo guitar)
8. Pannonica
9. Song 4 2
Joachim Schoenecker (guitar)
Martin Sasse (piano except 7)
Markus Schieferdecker (bass except 7)
2021年10月8日&9日ドイツ-ボンのHansahaus Studios録音
レーベル:
JazzJazz Records
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三つ折りデジパック仕様CD
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