★1980年代後期にSea BreezeやSaranacへの吹き込みで評判を上げ、1990年代半ばより不動のトリオでReservoirから味わい深い秀作群を連発してきた、バップ・ピアノの職人的逸材ピート・マリンヴェルニ(1957年ニューヨーク州ナイアガラ・フォールズ生まれ)
★これが初リーダー・アルバムとなった1987年4月ヴァン・ゲルダー・スタジオ(ニュージャージー州Englewood Cliffs)録音のトリオ演奏集(Sea Breeze SB 2037)に、未発表の2曲を加えた上、マリンヴェルニ自身の考案で曲順が並べ替えられ、更にヴァン・ゲルダーの手によってデジタル・リマスタリングが施されたCD化版。曲はスタンダード中心。
★硬質にして繊細なタッチでの、締まりある鋭角的バップ・イディオムと、瀟洒で豊潤な歌心表現、とを巧みにミックスした文脈展開に真価を揮う会心打名演が横溢。起伏と旨味に富んだ俊敏闊達な道行きが続き、b&dsの、軽快な波乗り気分と意表を衝くフェイント的スリルを併有した余裕あるビート演出(並びに各々の渋い立ち回り的ソロ)も秀逸だ。
★マリンヴェルニの、バラード的な局面における、抑えを利かせて音数を絞った極めてデリケート&ナイーヴな寛ぎ詩情表現が殊の外冴え渡っており、これがヴァン・ゲルダー固有の録音意匠によって残響の乏しい硬質・鋭角な感触に仕立て上げられて、結果、リアルなハード・バップ気分の強調された音空間となっている(Reservoirの近作も同様)辺りの音作り演出も魅力。きめ濃やかなエレガンスたっぷりにモンク曲を料理したワルツ調のUgly Beautyが白眉。
1 WHO CARES
2 HESTER PRYNNE
3 I LOVE YOU
4 I FALL IN LOVE TOO EASILY
5 BEAUTIFUL LOVE
6 NARDIS
7 THE STAR-CROSSED LOVERS
8 FOR HEAVEN'S SAKE
9 UGLY BEAUTY 0
10 DON'T BE SHY
#3,5(未発表)
Pete Malinverni(piano)
Dnnis Irwin(bass)
Mel Lewis(drums)
Recorded at Van Gelder Studio,April,1987
在庫有り
VIDEO
