★1970年代よりNYのアンダーグラウンド・シーンでウィリアム・パーカーらと活動し、DelmarkやSilkheart、Thirsty Ear、Aum Fidelity他から気合の入ったリーダー作も着々と発表して(自己名義バンドの他、幾多の企画グループでも旺盛にプレイしレコーディングも多数残す)高い評価と人気を得ていたフリー派トランぺッター:ロイ・キャンベル・Jr.(1952年米カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ、2014年ニューヨークのブロンクスで死去)、を主役=リーダー格とし、盟友=フリー・ベースの重鎮:W・パーカー並びにビリー・バング等とプレイしてきたドラマー:ゼン・マツウラ、という猛者二人が参画した一団:"ピラミッド・トリオ"による、1985年2月米マサチューセッツ州ウォルサムのブランダイス大学で吹き込まれていた未発表ライヴ編=キャンベルのオリジナル曲集。
★ジリジリ・ヒタヒタと怪しく躙り寄るドラムや、黒いスピリチュアリティ全開で重厚に唸るベース、らのしっかりスウィンギンなダイナミック鳴動に導かれて、キレ味鋭い破裂的トーンをもって熱い情魂とブルース・フィーリングに満ち満ちたグルーヴィー・プレイを繰り出すトランペットの、精悍にして旨味こってりの活躍が中々コク深く渋い魅力を放った、全般にフリーと云うよりもブラック・スピリチュアル・ジャズの正統然たる結構分かりやすい敏活エネルギッシュ妙演が続いて、壮快に昂揚させ感動させてくれる敢闘内容。
★硬派フリー・ジャズの文脈を基調とするもあくまで安定律動的ノリのよさと歌心を大切にした、ちょっとコワモテでいて人情味溢れる真っ向勝負のエモーショナル熱演、が歯切れよく力強く展開してゆき、パーカー(b)の体温を感じさせるパッショネートなウネり技や、斬り込み・突き或いは起爆性を満載したマツウラ(ds)の遊撃、もそこかしこで鋭く好アクセントを成す中、一座の花形たるキャンベル(tp)の、正攻法で漆黒アクションの道を突き進む、実に堂々とした、同時に泰然悠然と構えた感じもある敏捷かつ情熱的なインプロヴィゼーションが、揺るぎなく味わい濃い盛り上がりを、豊作ぶりを呈して胸のすく思いだ。
→シャープに尖った、そして乾いた風合いを示すダーク・スモーキーな音色も凛々しげに、ドン・チェリー辺りとはまた違った(ちょっと通じるところもあるが)、フリーな中にもハード・バップやブルースの匂いを豊富に残したその一音一音からピリッとした軒昂な覇気がほとばしる咆哮ぶりは、吟醸感たっぷりなおかつハードボイルドな凄味(〜猛々しさ)にも溢れていて孤高の趣があり、そうしたキャンベルのドライ&ソリッドなシャープネスみなぎった個性に比し、幾分ウェットにウォームなスピリチュアル節を唄うパーカー(b)の存在が、コントラストも鮮やかに上手いアジヘン(味変)処を形作っている辺りも妙味。
1. Charmaine (18:30)
2. Imhotep (16:14)
3. Vigilance (15:41)
4. Brother Yusef (13:21)
5. Untitled (9:23)
Roy Campbell (trumpet, flugelhorn) (maybe bass-trumpet or trombone? on 1) (笛? on 2)
William Parker (bass)
Zen Matsuura (drums)
1985年2月21日米マサチューセッツ州ウォルサム(Waltham)、ブランダイス大学-ウスダン・スチューデント・センター(Usdan Student Center, Brandeis University)のThe Jointでのライヴ録音
レーベル:
NoBusiness
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