★福岡市を本拠に、音楽講師を務めながら九州・山口のライヴ・シーンで活動、NYでJ・アバークロンビーやG・バートンシーニにも師事し、過去のアルバム群が好評を得ていた辣腕ギタリスト:山野修作(福岡市出身)の、今回は、前作「Green, White, Heart...」と同一メンバー即ちアダム・バーンバウム(p)以下NYの精鋭リズム・セクションを伴ったカルテット基本での一編。
★太く丸っこい団子っぽさや一定の重みを呈し、と同時に角張った鋭いキレを顕すところもある、潤いと陰影に富んだ表情豊かなスモーキー・トーンのギターが、ひたすらハード・バピッシュでこってりアーシーな殺陣風の濃い口アクションをソリッドに繰り出して硬派勇壮なる妙味を放ち、かと思えばよりメロウ・テンダーな歌物バラード表現にもきめ細やかさ・旋律センスの卓抜さを揮い、トータルとしてはやはりバッパー気質(&ブルースマン気質)の雄々しきフレージングを根幹としたホット&ソウルフルな躍動的プレイを敏活に綴って中々粋渋な魅力を発散しきった、サイド陣の手加減抜きで烈しくぶつかってくるダイナミズム攻勢も頼もしげに、本気度満点のコク深いブルージー・バップ世界をバッチリ堪能できるアツい敢闘内容。
★雄渾で凛々しい男気の濃厚さを気魄も充分に痛感させる、結構ダウン・トゥ・アースなハード・バップ・ギター・ジャズの本道をヘヴィー&ストロングに突き進む硬質スウィンギン立ち回り熱演、が精悍軒昂に展開され、苦味走ったハードボイルドで力学的なスクエアー・アタック!をカマしてくるバーンバウム(p)や、ドッシリ構えた安定律動性と変幻自在のゲリラ戦術を併せ持ったクローシー(クロエシー?)(b)&ファーバー(ds)、らに上手く煽られる恰好で、しかしあくまで泰然自若の揺るぎないスタンスから必殺の吟醸ワザをシャープ&ダイナミックに炸裂させる山野(g)のアドリブ活躍が、しっかりテイスティーかつ漢たる冴えを見せて素晴らしい。
→ケニー・バレル・ライクな強固堅牢で分厚さあるハード・ドライヴィング速攻であったり、ウェスに通じる熱血さを秘めたスケールの大きな鋭敏節であったり(ざっくり捉えるならウェスより太くバレルよりやや細いといったところか)、ベンソン〜グリーン系統っぽいイナセな漆黒フレーズであったり、クリスチャン〜ケッセル型バップ・ギターの基本に立ち返った鋭角的でいて小粋な旨口アクションであったりと、そうした、コンテンポラリー色はほぼ皆無の"ハード・バップ・ギター黄金時代"をリブートした風な一点の迷いもない確固たる弾鳴のあり様は、超芳醇にして聴く者を問答無用に圧倒する凄味に満ちている。これを猛烈に追撃してくるバーンバウム(p)の体当り的ハッスルぶりも好インパクト。
1. Waltz For Geri (Pat Martino) 6:10
2. Autumn In New York (Vernon Duke) 7:00
3. SOS (Wes Montgomery) 6:16
4. You Stepped Out Of A Dream (Nacio Herb Brown) 7:18 (g-b-ds trio)
5. Strings (Pat Martino) 6:07
6. Even Steven (John Abercrombie) 6:57
7. Two For The Road (Henry Mancini) 8:12 (g & p duo)
8. Sugar (Stanley Turrentine) 6:25
山野 修作 Shusaku Yamano (guitar)
Adam Birnbaum (piano except 4)
Matt Clohesy (bass except 7)
Mark Ferber (drums except 7)
2022年11月2日STUDIO Dedé(東京 上池袋)録音
レーベル:
Shoozz (自主製作)
在庫有り
国内自主製作・見開き紙ジャケット仕様CD