●当レーベルから出た2004年録音作「So In Love」が中々だったハンガリーのピアニスト(ブダペスト生まれ)(オールラウンドなマルチ・キーボード・プレイヤーとしても多方面で活躍)の、前作と同じ顔ぶれのトリオによる一編。2006年10月チューリッヒ録音。
★透明感や爽涼な潤いを湛えつつ、カッチリ堅く鋭角な芯の強さ・骨太さも備わった瑞々しいクリアー・タッチでの、耽美性とダイナミズムを自然に並立させた、中々端正なリリカル・プレイが安定して好調ぶりを示した美味内容である。
★緩急の起伏メリハリも適宜ナチュラルにつけられながら、ヨーロッパ抒情派の一正統然とした、歌心満点の滑脱で親しみやすい行き方が続き、主役pの、(欧州アート系らしい?)陰影深くも甘美なしっとりめのロマンティシズム表現と、モード派の王道を行くストレートアヘッドな鋭敏アクション・フレージング、を細かに織り混ぜた、抑揚あるビタースウィート風味の語り口が凛々しげに冴えている。
★殊に、伝統的な渋め粋筋のバップ小唄っぽい軽妙な寛ぎブルージー趣向を軸としながら、エヴァンス型の機動的ロマンティック技やハンコック・ライクな力学的パーカッシヴ攻勢、といったアクション転回も微細に盛り込まれるフレキシブルな明朗歌謡路線や、スクエアーな職人芸風のバップ・イディオム・プレイとクール・サウンド的ブロック・コード技の連動で風流に歩を進める、燻し銀風な和みのブルース、辺りに傑出してフレッシュな旨味を感じさせる、表情豊かでバランスのとれた爽快作。
1 All or Nothing at All
2 Never Let Me Go
3 My Favorite Things
4 Last Time Together
5 Weaver of Dreams
6 Ray's Idea
7 The More I See You
8 Estate
9 Waltz for Sue
10 When Will The Blues Leave
11 Till there Was You
12You're My Everything
Robert Lakatos (Piano)
Fabian Gisler (Bass)
Dominic Egli (Drums)
2006年10月22日,23日 録音
在庫有り
デジパック仕様CD
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