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清爽で勇ましいストレートアヘッド体質のブルージー・バピッシュ・アルトに半トラッド的チューバやエキゾティック・パーカッションがスリリングに絡むユニーク編 CD NICOLE JOHÄNNTGEN ニコール・ヨハーントゲン / LABYRINTH [SBR 026]

販売価格: 2,580円(税込)

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★デイヴ・リーブマンやサム・ニューサムに師事し、スイスのチューリッヒに本拠を置いてヨーロッパ一円で活動しているドイツ出身の個性派女性アルトサックス&ソプラノサックス奏者(ヴォーカリストでもある):ニコール・ヨハーントゲン(1981年旧西?ドイツ南西部ザールラント州クヴィアシード生まれ)の、今回は、チューバ&パーカッションとの変則トリオに途中2曲でスーザフォンも加わって来つつの一編=自作オリジナル曲集。

★滑らかに流線形を描きながらキュッと引き締まったソリッド感もある、重心の安定した程好い厚みを有する美味トーンのアルトが、バップ・アルトの正統らしいハード&ダイナミックなドライヴ感とブルース由来の吟醸的コクっぽさをふんだんに顕示しつつ、親しみやすい哀愁歌謡風のメランコリック・メロディーを流麗に繰り出し紡ぐ、機動力充分の躍動型リリカル・プレイを溌溂と綴って何とも清々しい華を成し、チューバやスーザフォンの醸し出す微妙にトラッド寄りなノリ、並びにパーカッション鳴動の齎すエキゾティック・グルーヴ・テイスト、といった要素が上手いアクセント効果を発揮して誠にユニークな抒情派リズミカル世界を創出した、新鮮味溢れる好演内容。

★主役アルトの吹奏のみに着目するなら極めてオーソドックスな現代バピッシュ・アルトの典型を示した、バップ色に富むアクション・センスとファンク的ブルース・フィーリングの権化たる、至ってストレートアヘッドなテイスティー・グルーヴィー・ブロウが滑脱に炸裂していて、粋渋なる魅力が遺憾なく放たれているわけだが、これにチューバとパーカッションが絡んでくると聴いたことのない無国籍スピリチュアル・グルーヴとも云うべき独創的音空間が立ち現れる、という、ノリよくも中々予断を許さないフレッシュ・スリリングな行き方が続き、オリジナル曲の一部に認められる特有のエスニック・カラーも奏効して異国情緒漂うその道程の中で、しかしあくまでメインストリーマー然とした振る舞いにほぼ終始するヨハーントゲン(as,ss)のアドリブ妙技が、実に歯切れよく旨味たっぷりに冴え渡っていて爽快だ。

→バップやモードの定番イディオムにキッチリ則りながらファンク寄りのブルース色を多々加え、物悲しさ仄めくメロディック・スウィンギン節をスッキリと端麗に歌い上げてゆく様は、ケニー・ギャレット辺りを幾分マイルド化・ソフト化したような結構勇ましい姐御の趣があって大いに蠱惑的で、時折挿入される自身のヴォーカルのクール&キュートそしてブルージーな寛ぎ感ある歌い回しがまた瑞々しい妙味。暗影濃くシブ〜いスピリチュアリティやニューオーリンズ(=ディキシー)風味をじんわり醸成するHansen(tu)、おおらかさと神秘性混在のエキゾティズムを表すStauffacher(per)、らの助演も殊の外清新で好インパクト。全体的に(楽器の取り合わせの特異さや、硬派ハード・バップらしさと風呂に浸かるような長閑さを伴ったニューオーリンズ的スピリチュアル・テイストとの相性がいいのか悪いのかよく分からない些かチグハグで強引なブレンド具合等から)ちょっとキワモノっぽい胡散の香り漂うイメージもなくはないが、演奏は簡潔にまとまっており完成度はそれなりに高い。

01. Labyrinth
02. In Gedanken
03. Canyon Wind
04. Simplicity, Curiosity!
05. Straight Blues, Baby, Straight!
06. Lac Léman
07. Get Up And Dance
08. Good Night My Dear
09. Little Song For Nenel (solo ss/vo)
10. Song For Nenel
*music by Nicole Johänntgen

Nicole Johänntgen (alto saxophone except 09, 10) (soprano saxophone on 09, 10) (vocal on 01, 03, 09)
Jon Hansen (tuba except 09)
David Stauffacher (percussion except 09)

special guest:
Victor Hege (sousaphone on 04, 05)

2022年9月20日スイス-バーゼルのSRFスタジオ録音

レーベル:Selmabird Records

在庫有り
デジパック仕様CD

商品情報

■Nicole Johänntgen‘s Biography 〜 バイオグラフィ
1981 年ドイツ南西部ザールランド州クヴィアシード生まれ、現在スイス・チューリッヒを活動拠点の中心とし、ヨーロッパ全土で活動するマルチ・サックス奏者。19 歳でジョン・コルトレーンのソプラノ・サックスの世界と決定的に出会い、デイヴ・リーブマンに師事。またニューヨークでの活動で、サム・ニューサムにも師事。そのたぐい稀な音色、表現力を持つ奏者からも影響を受けた。
現在までに 25 作のアルバムもリリース。ソロからカルテット、兄である Stefan もバンド・メンバーである”Nicole Jo”や、ニューオリンズでの体験がバンド・サウンドに練り込まれたプロジェクト”Henry”ほか、その活動は幅広くもあるが、どれも自身の音楽体験に基づき、一貫性も感じさせている。セシリア・ノービーの『Sisters in Jazz』ではソリストとして参加するほかツアー・メンバーとしても演奏している。
自身のレーベル Selmabird Records ももち、女性アーティストのためのワークショップ組織 SOFIA の代表として活躍中。女性即興奏者が一線で活躍できる音楽市場も目指し、近年中、日本での交流も視野に入れている。

Stories behind the songs
本人による曲目解説
1) Labyrinth ラビリンス 04:38

この曲のインスピレーションは人生です。それは迷宮のようなものだから。

2) In thoughts 思慮 04:37

“In thoughts”は穏やかな曲です。 思慮深さ。時折、困難な状況に合うと私たちはいろいろな思いを巡らせます。

3) Canyon Wind 峡谷の風 05:11
スイスのベルナー・オーバーラントには氷河に覆われた峡谷があります。ここはパワースポットで、夏の暑い日には涼しい風が流れます。

4) Simplicity, Curiosity! シンプルさ、好奇心!05:43 (feat. Victor Hege on sousaphone)
この曲は私の子供を観察するところから生まれました。シンプルなことから好奇心は生まれ、シンプルでありながら興奮を失わないことを探究する好奇心を曲にしてみました。

5) Straight Blues, Baby, Straight! ストレートなブルース!06:13 (feat. Victor Hege on sousaphone
)
もともとは、自分の生徒たちのために書いた曲です。普段レッスンでブルースを演奏する時はいつもスイングのように奏でます。でも、タイミングとフレージングは私にとってとても大切なエレメントで、この曲はそれを簡単に覚えて歌えるようにスイングのフレーズではなくって、ストレートな8分音符で書きました。

6) Lac Léman レマン湖 03.02

2022年、スイスの有名な湖、レマン湖で演奏しました。とても暑かったですが、湖の静けさにインスパイアされてこの曲ができました。

7) Get Up and Dance 立ち上がってダンス 02:39

この作品は、さあ体を動かそうという呼びかけの曲です。

8) Good Night My Dear おやすみなさい 02:05

この曲は私の子供への子守唄(ララバイ?)です。

9) Little Song for Nenel ネネルへのリトルソング 03:06
この曲はわたしの小さい子供のためのとても個人的なもの曲です。時が経つのはとても早く、子供は最初の数年の間にたくさんのものを学びます。わたしにとって、それはとてもとても不思議なことであり、またそれを見ることができることはかけがえのないことでもあります。わたしの父のエルヴィス・プレスリーのマイクを使って歌うのは、初めてのことでした。ソプラノ・サックスのソロと交互に、このマイクで歌を歌いました。

10) Song for Nenel ソング・フォー・ネネル 03:08
この曲は”Little song for Nenel”のトリオ・ヴァージョンです。この曲には70年代のモータウン時代の雰囲気があります。
セシリア・ノービーのバンドにも抜擢され、前作『Solo II』が日本でも話題になった注目の女性サックス奏者, ニコル・ヨハントゲン。ニューオリンズ的なサウンドから、スピリチュアルなジャズ、ルーツ=ヨーロッパ・・etc.オープン・マインドな好奇心とマルチな才能が融合されたオリジナリティあふれる一作!

★スイスを拠点にヨーロッパで広く活躍する女性サックス奏者、ニコル・ヨハントゲンのマルチな魅力があふれた2023年最新作。

★音楽を愛し、演奏する家族に囲まれてきた彼女は、どんな時もオープン・マインドで多種多様!前作の『Solo II』は、コロナ禍の時期、標高2100mを超える高地にある教会での豊かな残響音と対話するようなアンビエント的演奏が収録され、NHKFMのジャズ専門番組“JazzTonight”でも話題になったが、音楽的な原点はコルトレーンとキャノンボールのスピリチュアリティ。また、ファンク、セカンド・ライン・リズムのご機嫌なバンドもくむ一方、映像にインスパイアされてのアンビエント的な音楽など、表現は非常に幅広い。

★れた一曲。パーカッションが叩き出すリズムにのってチューバとユニゾン的にテーマを展開したのちに、繰り広げるオープニングのタイトル曲はアメリカを原点にしたジャズ語法とグルーヴとともに、ヴォイスも絡め、ヨーロピアン的な色彩も滲み出す演奏。またM3のは、フォークロア的な響きもあり、峡谷の風というタイトルが示すように、前作のソロと通じる大自然の広がりも感じさせる一曲。一方、M9は、我が子に捧げたソロ・バラード。優しさが滲む歌声とソプラノの演奏からは女性としての愛らしさが伝わってくる。M4,5,6のファンクなサウンドをボディにしつつ、楽曲も演奏もヴァリエーションが豊かだ。女性アーティストのためのワークショップ組織SOFIAの活動も2023年再開した彼女。その活動はしなやかにも眩しい。(新譜インフォより)
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