★1940年代後期より活動し、ハワード・マギー、チャーリー・パーカー、ミルト・ジャクソンらと共演、1950年代以降はハード・バップ・ピアノの類稀な逸材として多方面で活躍、60年代にはヨーロッパへ渡り、パリ経由で1964年よりデンマークのコペンハーゲンに本拠を定めて長らくプレイし、後年は日本制作のロマンティック・イメージ路線でも人気を博した、モダン・ピアノの個性的名手:ケニー・ドリュー(1928年米ニューヨーク生まれ、1993年デンマークのコペンハーゲンで死去)の、本盤は、相棒のニールス・ペデルセン(b)並びにアルヴィン・クイーン(ds)と組んだトリオによる、1989年5月コペンハーゲンでスタジオ録音されたスタンダード中心の秀作、=元々は「欧州紀行 Recollections」というタイトルの日本のAlfa Jazz原盤作品(後にTimelessより当ジャケット&タイトルで再発)の、Timeless版のデザインでのCD新装再発(限定)。
★強堅硬質な歯切れよい骨太ストーン・タッチのピアノが、バップ&ブルースの定番イディオムに則った燻し銀っぽい吟醸的ダイナミック・フレーズと哀愁歌謡の権化たる"泣ける"メロディック節を掛け合わせて、中々鋭く敏活に歩を進めてゆく陰影豊かな躍動型リリカル・プレイを精悍毅然と綴って、何とも粋渋でソリッド感あるビタースウィートな魅力を放ち、一方、雄弁と云うよりは饒舌なバネとウネりの利きまくった烈しくドライヴする重厚ベースや、キレ味シャープにえぐり込んでくる精確巧緻でアタッキングなドラム、らの活躍も鮮やかにツボにハマりきった、全編ハード・バップ系人情娯楽派ピアノ・トリオの本道ド真ん中を突き進む雄渾なる快演が横溢して、壮快に昂揚させ、また芳醇なコクを堪能させてくれる、さすが醸熟の充実内容。
★歌心とスイング感を変らず第一義とし、ブルース・フィーリングやバップ・スピリットも自ずと潤沢に有した、メロディアスだが決して甘さに流されない雄々しく凛々しく強壮なストロングネス十二分のスウィンギン・バピッシュ熱演、が思いの外エネルギッシュに展開され、ペデルセン(b)やクイーン(ds)の律動性と遊撃力を併せ持った多彩なアクティヴィティ溢れる機略縦横のバックアップに上手く刺激されながら、ドリュー(p)の、表情豊かでありつつ泰然自若の体を崩さない確たるアドリブ至芸が、含蓄深く冴え渡って素晴らしい。
→歌物やスタンダードをメイン・レパートリーとしているが、それらは歌曲である以前に先ず硬派ハード・バップである、という信念が一音一音に感じられ、なおかつ黒人ミュージシャン一流のダークでドス黒いブルース・テイストを濃厚に滲ませて、あくまでスクエアー・バピッシュ&ブラック・テイスティーに曲を解釈せんとするその、結構鋭角的で分厚くヘヴィーな力学指向のアクションをもって独自の憂歌っぽい音景色を描き出す、という妥協なき弾鳴のあり様は、当時の日本盤CDのジャケットにあしらわれていたソフトなイラストのイメージとはいい意味で程遠い、暗影濃くハードボイルドな堅牢バッパーの矜持に満ち満ちており、ブルース表現においても軽めの寛ぎファンキーなどといった方向へは行かず、一貫してドッシリ重くこってりコクのある地底の奥底のようなダウン・トゥ・アースな濃い口アプローチに終始する、辺りにも揺るぎない本領が顕れていて全く圧倒的だ。これは見事にノックアウトされました。心がけを改めます。
01. ゴールデン・イヤリング
02. シェルブールの雨傘
03. ザ・ジェントル・レイン
04. スウェーデンの城
05. イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
06. コペンハーゲン・ブルース
07. サマー・ノウズ
08. 霧深き日
09. サドンリー・イッツ・スプリング
10. オールド・ダニッシュ
11. リコレクションズ
Kenny Drew ケニー・ドリュー (piano)
Niels-Henning ?rsted Pedersen ニールス・ペデルセン (bass)
Alvin Queen アルヴィン・クイーン (drums)
1989年5月14日&15日デンマーク-コペンハーゲンのEasy Sound Studios録音
レーベル:
Solid ウルトラ・ヴァイヴ (Ultra-Vybe) Timeless
★限定生産盤
★日本語書き下ろし解説付
★オリジナル・ジャケット使用
★最新リマスタリング
在庫切れ
可能な限りお取り寄せいたします
国内制作・限定生産CD