★ニューヨーク・シーンで活動し、Double-TimeやCellar Musicよりのリーダー作、デイヴィッド・ギブソン(tb)、ボブ・スナイダー(g)(兄弟か?)、ラリー・ゴールディングス(org)、マイケル(マイク)・メリト(ds)のサイド等で冴えた敏腕ぶりを見せていた、TV&ラジオのコマーシャル音楽の作編曲家や音楽講師としても名を馳せるキャリア豊富なモダン・トランぺッター:ジョン・スナイダー(1969年生まれ)と、その息子であり父親と同じくトランぺッターであるデイヴィッド・スナイダー、という父子トランペット・コンビによる、ジェブ・パットン(p)以下強力なピアノ・トリオを伴ったクインテット編成でのオリジナル曲集。
★キレのあるアーシーなピアノ以下、リズム・セクションの安定して力強く律動スイングする精緻な響鳴にガッチリ頼もしく支えられながら、幾分ハスキー・スモーキーにくぐもったトーンで歯切れよい快活推進性と微妙な澱みっぽさの入り混じった含蓄あるブルージー・プレイを繰り出す左チャンネル・トランペットと、より抜けのいい朗々とした音色で晴れやかに哀愁ロマンを活写するイキのよさ抜群な右チャンネル・トランペット、とが適度なコントラストを成しつつあくまでスッキリと清々しい見せ場を飾り、競合してゆく至って真っ当な会心打内容。
★歌心とスイング感を何より重んじ、大衆娯楽志向っぽく気さくそうな人情味に溢れた、今日流ハード・バップ・ジャズの鑑とも云うべき徹頭徹尾オーソドックスなメロディアス・スウィンギン快演、がノリよく闊達げに展開され、どこまでも親しみやすくブルース色も濃いストレートアヘッドこの上なしの開放感ある道程の中で、コク深くウネるオケグウォ(b)やファンキー力全開のパットン(p)ら、リズム陣の活躍もばっちりテイスティー・グルーヴィーに際立つ一方、左右に分かれたスナイダー親子(tp)の和気あいあいとした友好的対決ならびに息の合ったアンサンブル、が胸のすく爽やかな盛り上がりを呈してゴキゲンだ。
★左トランペットの、明るく晴朗敏活に真っ向勝負で情緒を描破していても、音色そのものに巧まず顕れる独特の渋味や曇り感が奏効してちょっと燻し銀風の翳りと丸みあるアウトライン・イメージに仕上がっている、辺りの粋で風流な趣が何とも味わい豊かで、かたや右トランペットの、輪郭もクッキリとシャープで明晰な咆哮を轟かせる、吹き抜ける青嵐のように陽気で凛々しい背筋の伸びたその吹鳴の真っ直ぐな華やかさがまた格別で、両者は終始互角の拮抗を見せて清新味が途切れず、加えて一部での2トランペットのユニゾン・アンサンブルの醸す涼感〜クールネスもこれがまたフレッシュ・デリシャス至極。
1. Freedom Tunnel
2. Sneid Remarks
3. Louis Bannet
4. Pixel People
5. Points Of Light
6. Hop
7. Pay It Forward
8. Playing For No One
9. The Lobster
John Sneider (trumpet, composition)
David Sneider (trumpet, composition)
Jeb Patton (piano)
Ugonna Okegwo (bass)
Andy Watson (drums)
2023年1月4日&5日米ニューヨークシティのSear Sound録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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見開き紙ジャケット仕様CD
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