★早ヴェテランの域に入る現代進歩派=新感覚派ジャズ・ギターの第一人者:カート・ローゼンウィンケル(1970年米ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ)の、今回は、アーロン・パークス(p,key)らとのカルテットによるNYヴィレッジ・ヴァンガード・ライヴ編。
★潤いや旨味に富むと同時に独特の濁りや曇りをも帯びた陰影深く鋭利なトーンのギターが、思索性を孕んだ哀愁アクション風の躍動型コンテンポラリー節を紡ぎながら伝統的ブルース由来の吟醸テイストもしっかり滲ませる、という、十全にアップデートされエッジの効いた今日流もしくは未来派筋のプレイをシャープ&ソリッドに繰り出して、「ダーク・ヒーロー」然とカッコよくもテイスティー・グルーヴィーに華を成し、ギターとは好対照に"バップ"を基調とした厚み&骨太感ある硬角質なダイナミズム攻勢で鮮やかに拮抗するピアノの活躍も、存在感充分に彩りを添えた、全編「ギター・ジャズの最新形」たるフレッシュ・スリリングな敢闘が横溢して大いにノセ、昂揚させてくれる充実内容。
★今時らしく形式もヴァラエティーに富んだリズミカル・ビートに乗せての抒情派大立ち回り路線、といった感じの遊撃的アクティヴ熱演が重みをもって歯切れよく展開してゆき、弾性満点にウネりドライヴするリヴィス(b)や圧倒的キレ味とパンチ力で精確に空を刻むハッチンソン(ds)、らの結構濃い口なサポートも絶えず魅力を際立たせる中で、ローゼンウィンケル(g)の腰を据えてゆったり伸び伸びと得意ワザを揮いきる自然体調子のインプロヴィゼーションや、アコースティック・ピアノとエレクトリックなキーボードを巧みに使い分けつつこれを追撃するパークス(p,elp,synth)の奮戦、が色彩感も豊かに見せ場を繋いで生々しいスリルと興奮が途切れない。
★ローゼンウィンケル(g)の、基本は所謂"フューチャー・ファンク"系統の中々苦味走ったハードな面持ちを呈しての非バップ的激動フレージングで迫真力十二分にエキサイトさせてくれるが、そうした一種のファンク・ジャム的な暗躍めいた暴れぶりの一方、時にはウェス型のオクターヴ奏法とブルース・ロックを混合したような烈火の疾駆攻撃で熱くもこってり芳醇なグルーヴを愉しませてくれたりと、巧まずしてナチュラルに振り幅を示したそのドラマティックな語り口の妙は美味さ格別で説得力も絶大だ。
★かたやパークス(p,elp,synth)の、マイルド・バピッシュな端麗バラードからエネルギッシュな妖しい電脳アーシー・プレイまで、主役ローゼンウィンケルの動向に応じて的確にコントラストをつける助演もきららかに光っている。
1. Cycle Five (8:16)
2. The Past Intact (7:03)
3. Solé (7:58)
4. Our Secret World (7:19)
5. Music (9:37)
6. Undercover (12:56)
Kurt Rosenwinkel (guitar)
Aaron Parks (piano except 4, 6) (electric piano on 4, 6) (synthesizer on 1, 6)
Eric Revis (bass)
Greg Hutchinson (drums)
2022年NYC-the Village Vanguardでのライヴ録音
2023年作品(Heartcore Records原盤)
レーベル:
Mocloud
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国内盤CD
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