★相愛大学(大阪府大阪市)音楽学部サクソフォン専攻卒業、2013年より度々渡米して現地の主流派シーンでも武者修行を積みながら、関西のジャズ・ライヴ界で精力的な活動を続けてきたアルトサックス&テナーサックスの逸材:川上拓也の、初リーダー・アルバムとなる本盤は、全編たった独りのソロ演奏で通した(概ね前半はアルト、後半はテナーで、両方同時に吹くのも1曲ある)チャレンジングな意欲溢れる一編。
★プロデュースは関西を代表する敏腕ベーシストの守家巧。大阪・日本橋のStudio LubLab録音。
★絞りが利いていてしなやかな伸びや張りを示すと同時に脱力したような柔らかな丸みや軽やかさを垣間見せるところもあるアルト、またはより図太く重厚感あるスタンスもドッシリ安定したテナー、が徒然気ままに筆を滑らせあてどなく宙を遊泳するようでありながらしかし、文脈全体がしっかりとストーリーっぽく作劇的に構成されてもいる、渦巻くが如きドライヴ感とバピッシュ&ブルージーなグルーヴ溢れる吟醸的ブロウをイキイキと、かつ簡潔に綴って何ともアジな魅力を放った快投内容。
★1曲1曲はわりかし手短にまとめられ、歌心とノリのよさを何より重んじる人情味満点のメロディック&スインギーな邁進が続き、伝統的なバップ・スピリットやブルース・フィーリングも自ずと潤沢に備わった、独特の思索瞑想性がチラつく面もあるものの基本はあくまで分かりやすく親しみやすい美旋律の綴れ織り、といったイメージの躍動型詩情世界が活写されてゆく(オーネットやアイラー、ドルフィーらの曲を演っているからと云っても断じてフリー系ではありません。)中で、その情感豊かだが決して甘さに流されない、巧まず濃やかに制御の効いたさりげなく"練り上げられ感"ある語り口が、中々粋で渋いテイスティー・グルーヴィーな高密度の冴えを見せていて卓抜だ。
★アルトでの甲高くシャープにさえずり鳴きながらたゆたい流れてゆくようなちょっとメディテイティヴでもある微妙に尖った慟哭ぶりと、テナーでのゆったり泰然と構えた態から繰り出されるハード・ドライヴィングかつハートウォーミングなバップ・ジャズ色濃いまろやかブロウ、という上手く好対照を成したその両方に情魂深く含蓄に富んだ妙味が発揮されており、その吹鳴は非常に心地よく(爽快にして壮快)も説得力十二分。
01. Lonely Woman (Ornette Coleman)
02. Out There (Eric Dolphy)
03. Isfahan (Billy Strayhorn)
04. Just A Closer Walk With Thee (Traditional)
05. Blues Connotation (Ornette Coleman)
06. Ghosts (Albert Ayler)
07. Sakura Sakura (Traditional)
08. Naima (John Coltrane)
09. My Foolish Heart (Victor Young)
10. Jesu, Joy Of Man's Desiring (J.S.Bach)
川上 拓也 Takuya Kawakami (alto saxophone on 01, 02, 03, 04, 05, 07) (tenor saxophone on 06, 07, 08, 09, 10)
Recording Studio LubLab(大阪府大阪市浪速区日本橋西2丁目)録音
2023年日本作品
レーベル:
自主製作
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