CATFISH RECORDS

★Nagel HeyerやSavant、Posi-Tone、Sunnyside、Smalls Live、Smoke Sessions等よりの作品群に好評を集めてきた、NYシーン最前線で精力的に活躍する主流派黒人テナーの人気スター：ウェイン・エスコフェリー(1975年英国のロンドン生まれ→アメリカへ移住しコネチカット州ニュー・ヘイヴンで育つ)(ジャッキー・マクリーンらに師事)(人気の女性歌手:キャロリン・レンハートの夫君である)の、今回は、デイヴィッド・キコスキ(p,elp)らとのカルテットを軸としながら、かつてのボスであるトム・ハレル(tp)を始め錚々たるゲスト陣も次々と加わってくる、色彩感に富んだ劇的一編。

★キュッと締まったシャープさや隆々さと柔らかでふくよかな丸みが自然に一体化した何とも味のあるトーンのテナーが、"豪快武骨"を基本身上とした大きく渦巻くようなダイナミック咆哮を屈強げに繰り出して貫禄も堂々と雄々しい、そしてコクのある華を成し、モーダル・バップの本道を突き進むソリッドなピアノやファンク・フィーリング溢れる端麗なエレピ、バップ語法とコンテンポラリー語法を表裏に掛け合わせたギター、翳り濃くもまろやかで懐の深そうなトランペット、らの助演も各々テイストの異なる魅力でカラフル&フレッシュに妙味を、彩りを添えた、全編極めて真っ当な現代ハード・バップの正統たる明朗直球驀進が続いて、スカッと壮快に昂揚させ、また豊かな旨味を満喫させてくれる密度の高い充実内容。

★歌心とスイング感を何より大切にし、硬派で凛々しいアクションの迫真力やブルース音楽の伝統をしっかり汲んだ吟醸的ソウル・フィーリングも潤沢に備わった、徹底して正攻法勝負の人情娯楽活劇風ハード・バピッシュ快演が嬉々として歯切れよく展開され、「シンプル&ストレート」を貫いた清々しい道程の中で、バネを利かせて撥ねるようにウネり躍るオケグォ(b)や、鋭く精確に空を斬り刻みパンチ・キックを叩きつけてくるホイットフィールド(ds)、らのグルーヴ力満点の遊撃的バックアップも鮮烈に煌めき、これに上手く刺激される恰好で、エスコフェリー(ts)を筆頭とする銘々の腰を据えて伸びやかに本領を揮ったアドリブ活躍が、文句なしの大豊作ぶりを呈してゴキゲンだ。

★エスコフェリー(ts)の、太く分厚く重みある音色も頼もしく、大筋ではジョニー・グリフィンとかの系譜に連なるハード・ドライヴィングなヴォルテックス・ウェイヴ・ブロウとも云うべきブットく逞しい錐揉み型の爆裂吹奏スタイルを根幹とし、ここらへんはエリック・アレクサンダー辺りの芸風にも通じるところがあるが、エスコフェリーの場合アレクサンダーよりも直接的な黒さやブルース色もしくはモード風味が鮮明に音に顕れた、いい意味で「ベタ」な生々しいイメージがあり、ソプラノに持ち替えてのD・リーブマンに迫るようなハードでシリアスな大立ち回り攻勢(#6)も含めて、その殊の外スケールのデッカい武勇派タフガイ然とした吹鳴のあり様は全くもって超芳醇で理屈を越えた説得力を有している。

★一方、堅実な抑え役を務める反面ブルース・ナンバーなどではR&B寄りともとれるファンキー&アーシーなこってり節も繰り出すキコスキ(p,elp)(エレピでの颯爽としたスリリングなファンク・グルーヴ・プレイも卓抜)や、手を代え品を代えトータル・サウンドに的確な色彩変化を齎すモレーノ(g)、チェットやマイルスの奏法を消化した抒情派スタイルを基調とするが決して甘くはなく、しかもソロ・パートの作劇構成力の完璧さが誰よりも傑出していて圧巻のハレル(tp)、更には、重低音ヴォイスの魅力で揺るぎないブルージー歌謡の世界を創出するポーター(vo)、といった具合でそれぞれに忘れ難くデリシャスなソロの名場面多数。

1. Like Minds (Wayne Escoffery) 6:02
2. Nostalgia In Times Square (Charles Mingus) 7:48
3. Sincerely Yours (Wayne Escoffery) 7:26
4. My Truth (feat. Gregory Porter) (Wayne Escoffery) 7:55
5. Rivers Of Babylon (feat. Gregory Porter) (B. Dowe & T. Mcnaughton) 6:38
6. Song Of Serenity (Ralph Peterson Jr.) 4:56
7. Treasure Lane (Wayne Escoffery) 4:07
8. Idle Moments (Duke Pearson) 6:29
9. Shuffle (Wayne Escoffery) 6:08

Wayne Escoffery(tenor saxophone except 6) (soprano saxophone on 6)
David Kikoski (piano except 2,7) (electric piano on 1,2,7)
Ugonna Okegwo (bass)
Mark Whitfield Jr. (drums)
Tom Harrell (trumpet on 2,4)
Mike Moreno (guitar on 1,3,8,9)
Gregory Porter (vocal on 4,5)
Daniel Sadownick (percussion on 5)

2022年3月31日米ニューヨークシティのSear Sound Studio C録音

レーベル：Smoke Sessions

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
デジパック仕様CD