★土岐英史、辛島文雄、中本マリ、渡辺貞夫等々、名だたるトップ・プレイヤー達に重用される他、凡そ30年来多方面で引っ張りダコの大忙しな活躍を続けてきた、百戦練磨の超絶凄腕ドラマー:江藤良人(1973年三重県鈴鹿市生まれ)の、今回は、片倉真由子(p)&粟谷巧(b)とのまた強力なオールスター・トリオによる入魂の一作。
★シャープかつ精確巧緻に空を斬り刻み縦横無尽にパンチ・キックを繰り出してくる何げに機転の利いたドラムや、ドライヴ感満点にウネり波打つが如く揺れ躍る温かなベース、にガッチリ支えられて、歯切れのいい硬質骨太なストーン・タッチのピアノが、ある時はノワール&ストイックに殺陣の型に徹するような渋〜いバップ・アクション技を粛々と紡ぎ、ある時はパッションがハジける感じの晴れやかでイキのいいモーダル・ダイナミズム攻勢を決め、またある時は小粋な唄性とハード&スピーディーな躍動力を掛け合わせた吟醸節を強堅に綴ったりと、一貫して親しみやすい人情味や歌心とパワフル&ソリッドな立ち回りの迫真力が自然に融和したメロディック・スウィンギン・プレイを精悍に揮って、何とも凛々しくテイスティー・グルーヴィーな華を成した、スカッと胸のすく会心打内容。
★ハード・バップ・ジャズならではの強硬堅牢な分厚いダイナミック・スイング感や生々しいスリルと、旋律美や歌謡性といった取っ付きやすく摑みのいい抒情傾向、とに変らず重点を置いた娯楽活劇路線の本道たる硬派で中々壮烈それでいてハートフルな真っ向勝負の快進撃!、がイキイキ溌溂と展開され、江藤(ds)の、随所で表情多彩・多層多角的な創意を凝らしたカラフル&サスペンスフル・グルーヴィーなソロをとってさりげなく全体の道筋に変化をつけるも、決して出しゃばることなくあくまで主役はピアノ、と盛り立て役になりきった芸の細かい立ち働きや、粟谷(b)のそこかしこで好もしく主役の座を脅かすウォーム&スピリチュアルな雄弁ワザ、もそれぞれ結構濃いめに際立つ中、彼らに頼もしく触発されつつ、片倉(p)の、ひたすら揺るぎなく泰然自若・堂々と構えたイメージの風格とコクのあるアドリブ奮戦が頑として、そして確固としてさすが十全に熟した豊饒世界を創出していて全く素晴らしい。
→伝統的バップ・イディオムに則った暗影深くゴツッと堅い鋭角的力学フレージングや、アグレッシヴ&スピリチュアルに熱い激情を燃え立たせ、煮えたぎらせるモード色濃い大驀進アタック、更には、イキな軽みや小唄センスをきららかに揮ったファンキー節、或いはまた、じっくりと地の底へ降りてゆくようなダウン・トゥ・アース&ソウルフルな漆黒の頽廃カラーとブルース・テイストを満載したけだるい寛ぎ趣向など、王道中の王道とも云うべき渋旨弾奏に終始しながらしかし古臭いところはなく、自ずと今流にアップデートされたその生鮮度抜群にしてじっくり練り上げられ研磨された鳴動のあり様は、1ミリのブレもなく実に芳醇で説得力も絶大だ。
Side A:
1. Funky Chu (Yoshihito Eto 江藤 良人)
2. The Circle Of Color Emotions (Mayuko Katakura 片倉 真由子)
3. She (George Shearing)
Side B:
1. Dear Old Stockholm (traditional)
2. Con Alma (Dizzy Gillespie)
3. Whoa! (Takumi Awaya 粟谷 巧)
*CDより5曲,収録曲が少なくなっています
片倉 真由子 (piano)
粟谷 巧 (bass)
江藤 良人 (drums)
2023月1月18日 STUDIO Dede(東京 上池袋)録音
ライナーノーツ(曲目解説含む):江藤 良人
レーベル:
Studio TLive
在庫有り
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