★お馴染みベルギーのオールラウンドな人気辣腕ギタリスト:フィリップ・カテリーン(1942年英国ロンドン生まれのベルギー-ブリュッセル育ち)と、主にフュージョン系ベーシストとして知られ本作録音当時は弱冠17歳であった同じくベルギーの逸材:ニコラス・フィスツマン(二コラ・フィズマン?)(1964年ベルギーのブリュッセル生まれ)、という二人(度々共演している模様)の2ギター・デュオ体制での快演が聴かれる、1982年6月13日珍しい東ベルリンにおけるジャズ・フェスティヴァルに出演した折の未発表ライヴ音源を初ディスク化した発掘アルバム。
★キレ味シャープかつデリケートに光沢を放つかのような、潤いにも富んだ、かつ重心のしっかり据わった左チャンネル・ギター(カテリーン)のフォーキー・ブルージー・プレイがテイスティーに映え、より眩い煌めきを湛える感じな細く高くしかしキリッと引き締まった右チャンネル・ギター(フィスツマン)の躍動ぶりも確固と鮮烈に拮抗した、全般に、ピタリと精緻に息の合った両者のコンビネーションの見事さ・緊密さと、中々激しくぶつかり合う即興対決の迫真スリルやその豊饒具合を歯切れよくノリノリに愉しませてくれる、極めて密度の高い敢闘内容。
★インティメイトな和気や信頼感に溢れる一方、真剣勝負なバトルの緊迫サスペンス並びに力強いノリ=グルーヴ、ダイナミック・スウィンギンさも自ずと豊富に備わった、基本はモダニッシュな80年代流バップ・ジャズ・スタイルの濃厚アンサンブル&インタープレイが精悍げに展開してゆき、曲によってアコースティックとエレキを上手く使い分けるカテリーンと、鋭いアコースティック・ギターと幾分モコモコしたエレキベースとで巧みにメリハリをつけるフィスツマン、という絶妙にコントラストを成した二者それぞれの活躍が生鮮にしてコク深く冴え渡っており、全くアザやか。
★カテリーンの、こういうフォーマットでは自身のルーツであるマヌーシュ・スタイルが飛び出すかと予想させるも、必ずしもそうはなって行かず、あくまでコンテンポラリー・バピッシュな正攻法の硬派アクションにほぼ終始、殊にボッサ・ビートに乗せた軽やかでメロウ・テンダーな歌い様や、ややフォーク寄りの風趣を呈した局面におけるブルース&バップの感覚〜スピリットを決して忘れない旨口節、といった辺りに芳醇なるメロディストぶりが遺憾なく発揮されていて卓抜で、かたやフィスツマンの、ロックやポップス、フォーク等の影響を感じさせる中で揺るぎない吟醸的ブルース魂を炸裂させた結構濃いフレージングや、ベースに持ち替えての本職の矜持を堂々と示したウネるようなドライヴィング熱演、などにもバッチリ粋渋な妙味があって好インパクト。
★一糸乱れぬ精確巧緻なハイテクニックにしっかり裏打ちされた両雄のやりとりは実に見事だ。
1. Janet (2:53) (solo guitar)
2.
Babel (9:20)
3. Crystal Bells (8:33)
4. Petit Nicolas - Grand Nicolas (10:14)
5. Air Power (4:01)
6. End Of August (4:28)
7. Transvested Express (1:32)
8. September Start (4:18)
Philip Catherine (acoustic guitar, electric guitar ; left channel)
Nicolas Fiszman (acoustic guitar ; right channel except 1, 5, 8) (electric bass guitar on 5, 8)
1982年6月13日旧東ドイツ-東ベルリンのVolksbühne=フォルクスビューネ(Berlin Jazzbühne Festival=ベルリン・ジャズビューネ・フェスティヴァル)でのライヴ録音
レーベル:
The Lost Recordings
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