★米バークリー音大に学び、パリとニューヨークの二拠点体制で多忙に活躍、クリスチャン・スコット、ウォルター・スミスIII、アンブローズ・アキンムジーレ、ジェイスン・パルマー、ウォーレン・ウルフ、ジャリール・ショウらの強者連と共演を重ねてきた、フランス系アメリカ人とされるアルトサックスの俊英:プリュームの、前作から凡そ3年ぶりとなるセカンド・アルバム。編成はグレゴリー・ハッチンソン(ds)をフィーチュアしたカルテットで、ラスト1曲のみ第二のアルトが加わるクインテットとなる。
★シャープ&ヘヴィーに押し寄せる怒涛の如くダイナミック・ビートを叩きつけてくる凄味充分のドラムや、モーダル・スピリチュアルに熱く躍動するピアノ、バネを利かせてウネウネと肉太くドライヴするベース、らに頼もしく導かれ、煽られながら、キュッと絞りの効いた甲高いトーンで凛々しく精悍に速射砲撃っぽく雄叫びを上げる風なアルトの、中々アグレッシヴ&エネルギッシュな気魄のこもった敏活咆哮が迫真白熱の鋭い華を堂々飾りきった敢闘内容。
★硬派で雄々しく勇壮勇猛な、現代流モード系ハード・バップの本道ド真ん中を突き進むソリッドさ&タイトさ満点の苦味走ったハードボイルド調のアクティヴ熱演、が軒昂なる覇気をほとばしらせつつイキイキと、キビキビと展開され、全体に強硬っぽい締まりを齎すモンタナ(p)や、絨毯爆撃力に溢れながらトータル・サウンドを上手くほぐす役割をも担うハッチンソン(ds)、らのサポートも鮮烈に際立つ、自ずとメリハリの利いた半ドラマティックな道程の中で、主役:プリューム(as)の、ピリッとスパイシーでひたすら雄渾げ、それでいて旨味ある美メロ・センスも適度に備わり、切実な情魂味の発露も見せる激動型アドリブ攻勢が、圧倒的迫力をもって血沸き肉躍る盛り上がりを呈しており、全く壮快だ。
→基本的にはコルトレーン〜ケニー・ギャレット辺りの系譜上にある、モード色濃いパッショネート&エモーショナルな烈しく躍動するピリ辛アクション・スタイルを身上として先ずは問答無用に昂揚させてくれるが、しかし熱血一辺倒というわけでもなく、随所で独特の思索性や理知性そしてクールネスを強めた折り目正しく端麗で涼やかなメロディーを歌って見せ大いに和ませたり、ブルース・フィーリングの潤沢さを揮ったノリノリのファンク節にアジな魅力を示したりと、その根幹たる持ち味は猛々しい武勇肌であるものの自然な匙加減で抒情指向の転回にも推移してリフレッシュ効果を齎すなど、巧い按配で清新さの途切れない「哀愁とガッツと雄大さ」溢れるそうした吹鳴は説得力抜群。ハンコックやマッコイを十全に研究したと思しきモンタナ(p)の硬質弾奏も恰好の抑え役を果たして好印象。
1. Naima 5:25
2. Revenge Of The Mute Swann 6:30
3. Path Of The Moon 6:36
4. Oksana 5:27
5. Holding On (Prelude) 1:24
6. Holding On 8:04
7. Faith In The Unmanifested 6:20
8. Reverence 6:23
9. Yin & Yang (feat. Matt Chalk) 5:08
Plume (alto saxophone)
Leonardo Montana (piano)
Géraud Portal (double bass)
Gregory Hutchinson (drums)
Matt Chalk (alto saxophone on 9)
2021年10月5日&6日フランス、オー=ド=セーヌ県マラコフ(Malakoff)のStudio Sextan録音
レーベル:
Jazz&People
在庫有り
デジパック仕様CD
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